二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

市販品の弓、あれこれ。

2017-10-07 09:47:43 | ■工房便り 総合 
光舜堂でお客様とお会いして楽器を見せていただいたとき、

一番気になるのは、実は弓なのです。

これから少し耳の痛い話になりますがご容赦ください。

まずお客様が持って来られた弓で、このまま使えるなという弓はほとんどありません。

そのほとんどが、馬毛が、ボロボロと、フワフワと垂れていたりします。

楽器の調整の話の中で、内弦を弾くとどうしても、外弦も時々弾いてしまうようで、

駒の溝の幅(外弦と内弦の幅)広げてください、などという事もしばしばあります。

どれどれ、見せてください、

と弓を外して、普通に握って、馬毛を緊張させます。

すると、何本かの馬毛が必ずといってよいほど、垂れていたりします。

これは必ず取ってしまってください。

弾いているときに弾いている弦以外の弦も一緒に軽くですが音が出てしまいます。

調弦が微妙にずれていると、よけい雑音ぽく感じます。

このこと本当に多いです。

特にこのようなことが起こりやすい弓というのがあります。

それは、南方式の弓です。

弓には北方式、南方式と二つありますね。

北方式は



南方式は



南方式は、今日本で発売されている弓の中では3分の1以下ですが、教室によっては、この弓のほうが良いという方もいます。

いわゆる弓魚、ヴァイオリンでいうフロッグ、

要するに手元の毛をまとめている部品です。

ほとんどのものは、木でできていますが、この南方式のものはプラスティックで作られています。

北方式のものは、弓魚に毛の束をひっかけています。

南方式のものは、弓魚の中に穴が開いており、その穴の中を毛の束を通過させて、

その毛をまとめています。

やってみるとわかりますが、この馬毛を通過させるために、作業が難しく、

その作業中に、せっかくまとめてぴんと張ったはずの毛が、どこか緩んでしまうのでしょう。

ですから、後からも、だらっとしてくる毛も増えてしまいます。

弓に使われる馬毛は、一頭だけの、性質が同じ毛だけではありません、

何頭かの馬毛が混ざってしまっています。

そのために、毛の伸び方が違うのです。

私もほぉさんもその為に、均一に毛を伸ばすことにとても時間をかけています。

北方系南方系どちらの弓魚を使うかは、右手の握り具合の感触ですから、個人的な好みと慣れでしかありません

性能としてどちらが優れているという事は無いと思います。

ただし毛を張るほうからすると、

ある会社が、いろいろ試してみて南方系の毛の張替えはやっていられないとのことです。

後々毛の伸びないようにするためには、時間がかかりすぎて採算が合わないのだそうです。


この項続きます。















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