二胡の命は、皮、とおっしゃる方が、大変多いのです。
確かに振動を起こすところですからそうも言えると思います。
しかし果たしてそうなのだろうかというのがわたしのぎもんでした。
皮を張ってある楽器というのは、皮が命だとすると、皮が駄目になったら楽器としてはダメになるのだろうかという事です。
確かに貼り方というのは大変大きな要素だとは思います。でも鳴るのは胴ではないかと最初に考えたのです。
ジャンベや和太鼓、或いは三線、三味線など、皮張り替えても何の問題も有りません。
先日お会いした、胡弓の木場さんは、昨年は2回も皮張り替えたと言います。
三線なども、4,5年に一度は張り替えるみたいですし、三味線も同じですね。
何で、皮が一番大切と言うのかを考えてみました。
とりあえずは周りの砦と思っていた棹の事はいろいろ分かったつもりで、いよいよ本丸の二胡の胴に取り掛かります。(これが大きな間違いであったというのは、後の話、棹と胴はとんでもなく影響し合っているのが解って、更にシシルイルイ、というのは後ほど)
二胡の胴というのは皆さんご存知のように、6枚なり8枚の木の板を寄せ集めてボンドでつけけてあるものです。
胴を分解してみると、一枚一枚不思議な形に、削られています。
何でこんな形なのか、これは解りません。
そこで、私としては唯の平らな6ミリの厚みの板で胴を作って鳴らしてみました。
皮は当然蛇皮を使います。今考えるともったいなかったですね。
一応、鳴るのですよ。
しかし、弾きにくいですね。
相当シッカリ弾かないとなりません。
それと音が小さいです。
それとなんだか薄っぺらい音なのです。
それで、しかたなく厚みが12ミリの板を組み合わせて胴を作ります。
皮を張って、内部を少しづつ削り込んでいきます。
とりあえず、この蘇州型に近くなるようにとは思いながら削ったのです。
凄く馬鹿な事なのですが、どうせなら、最初から、一枚一枚を蘇州型のように削って、それを接ぎ合わせればよかったのですが、
そこはやはり重戦車と言われるくらい、定石(これも囲碁の言葉のようですね)を考えないで、一番の基本に帰ってやってみるたちですから、えらい手間がかかります。
定石というのは、数百年も数千年もかかって、囲碁を打ち始めるところの、このようにやると囲碁の戦いとしては、非常に楽な或いは次の戦いに備えた良い形になるはずです、という事を何万人かの人が知恵を絞ってああでもないこうでもないと、作り上げて来た方法論です。
いってみれば、今まで作られた二胡の内部形状がそうですね。
蘇州型に削ってあれば蘇州型の音がしますよという事が解っているということです。
多分この形になるまでどんなに多くの人がいろいろ試してみたのでしょうか?
それを真似すれば良いのですが、私の考えたのは、何故形状によって音が変わるのかということですから、そして何故ここを削るのかということが分かりたくてやったのです。
これは大変です。
何しろ直径7センチの奥行き13センチの中をそれも厚みが一定に鳴るように削って行くのです。
旋盤でとも思いましたが、(今は旋盤で刳り抜いたのもあるようです)やはり素朴に手で削りだしです。
一ヶ所一ヶ所削りながら、音を確かめていく気の遠くなるような事です。
なんとか、これで良いかなと思い、今度はそれを分解し、(ニカワで着けておくとヒーターを当てると、ニカワが軟らかくなって剥がせるのです)上の絵の形状と比べてみました。
音を確かめながら、削ったのですから、音的には問題なかったのです。
しかし、微妙に今までの蘇州型と比べると、違うのです。
蘇州型と比べると、後ろの方が厚いのです。
そこでこれを、再度蘇州型に削り直します。
すると見事に蘇州型の音がしますが、私の作った物より、高音部が出ないのです。
クリアーでもありません。
そこで解ったことは木の厚みというのが、蘇州型は最初から10,7ミリの板を使います。
板厚自体が少し少ない為、高音部の出るところに厚みが十分に無いのです。
ですので、板厚が薄い為に、振動しすぎて音が割れやすくなる為、雑音が出易く、クリアーに出ない為、音も小さくなるのであろうと想像しました。
確かに振動を起こすところですからそうも言えると思います。
しかし果たしてそうなのだろうかというのがわたしのぎもんでした。
皮を張ってある楽器というのは、皮が命だとすると、皮が駄目になったら楽器としてはダメになるのだろうかという事です。
確かに貼り方というのは大変大きな要素だとは思います。でも鳴るのは胴ではないかと最初に考えたのです。
ジャンベや和太鼓、或いは三線、三味線など、皮張り替えても何の問題も有りません。
先日お会いした、胡弓の木場さんは、昨年は2回も皮張り替えたと言います。
三線なども、4,5年に一度は張り替えるみたいですし、三味線も同じですね。
何で、皮が一番大切と言うのかを考えてみました。
とりあえずは周りの砦と思っていた棹の事はいろいろ分かったつもりで、いよいよ本丸の二胡の胴に取り掛かります。(これが大きな間違いであったというのは、後の話、棹と胴はとんでもなく影響し合っているのが解って、更にシシルイルイ、というのは後ほど)
二胡の胴というのは皆さんご存知のように、6枚なり8枚の木の板を寄せ集めてボンドでつけけてあるものです。
胴を分解してみると、一枚一枚不思議な形に、削られています。
何でこんな形なのか、これは解りません。
そこで、私としては唯の平らな6ミリの厚みの板で胴を作って鳴らしてみました。
皮は当然蛇皮を使います。今考えるともったいなかったですね。
一応、鳴るのですよ。
しかし、弾きにくいですね。
相当シッカリ弾かないとなりません。
それと音が小さいです。
それとなんだか薄っぺらい音なのです。
それで、しかたなく厚みが12ミリの板を組み合わせて胴を作ります。
皮を張って、内部を少しづつ削り込んでいきます。
とりあえず、この蘇州型に近くなるようにとは思いながら削ったのです。
凄く馬鹿な事なのですが、どうせなら、最初から、一枚一枚を蘇州型のように削って、それを接ぎ合わせればよかったのですが、
そこはやはり重戦車と言われるくらい、定石(これも囲碁の言葉のようですね)を考えないで、一番の基本に帰ってやってみるたちですから、えらい手間がかかります。
定石というのは、数百年も数千年もかかって、囲碁を打ち始めるところの、このようにやると囲碁の戦いとしては、非常に楽な或いは次の戦いに備えた良い形になるはずです、という事を何万人かの人が知恵を絞ってああでもないこうでもないと、作り上げて来た方法論です。
いってみれば、今まで作られた二胡の内部形状がそうですね。
蘇州型に削ってあれば蘇州型の音がしますよという事が解っているということです。
多分この形になるまでどんなに多くの人がいろいろ試してみたのでしょうか?
それを真似すれば良いのですが、私の考えたのは、何故形状によって音が変わるのかということですから、そして何故ここを削るのかということが分かりたくてやったのです。
これは大変です。
何しろ直径7センチの奥行き13センチの中をそれも厚みが一定に鳴るように削って行くのです。
旋盤でとも思いましたが、(今は旋盤で刳り抜いたのもあるようです)やはり素朴に手で削りだしです。
一ヶ所一ヶ所削りながら、音を確かめていく気の遠くなるような事です。
なんとか、これで良いかなと思い、今度はそれを分解し、(ニカワで着けておくとヒーターを当てると、ニカワが軟らかくなって剥がせるのです)上の絵の形状と比べてみました。
音を確かめながら、削ったのですから、音的には問題なかったのです。
しかし、微妙に今までの蘇州型と比べると、違うのです。
蘇州型と比べると、後ろの方が厚いのです。
そこでこれを、再度蘇州型に削り直します。
すると見事に蘇州型の音がしますが、私の作った物より、高音部が出ないのです。
クリアーでもありません。
そこで解ったことは木の厚みというのが、蘇州型は最初から10,7ミリの板を使います。
板厚自体が少し少ない為、高音部の出るところに厚みが十分に無いのです。
ですので、板厚が薄い為に、振動しすぎて音が割れやすくなる為、雑音が出易く、クリアーに出ない為、音も小さくなるのであろうと想像しました。