二胡の修理で一番の問題は、直すところが無いという事だと思います。
以前いらしたお客様で、銅のひび割れがあってそれを直してもらおうとしたときに、
大手の楽器屋さんや、和楽器を作っているところ様々にたづねあるって、結局はご自分の先生にお願いし、その友人の中国の工房へ送って直してもらったという話しがありました。
大手の楽器屋さんは、直せるけれど8万円。
和楽器屋さんは、6万円。
先生は4万円。
何処でこのような金額の差が出るのかはわかりませんが、やはりその道のプロに直してもらうというのが肝心だとは思うのですが、
最後の最後で一番大きな問題が、
先生に預けた二胡は、10年ぐらいも弾いていた紫檀だったのですが、戻ってきたのは明らかに違う、
そこで、『先生これ違います、お預けしたのは紫檀でしたよ」
ところが先生は、真っ向から否定だそうです。「私が預かったのはこの二胡です」と
私自身は、ご相談されて、修理されたはずの二胡を見せていただき、「これは縞黒檀です」と答えました。
この方は、それこそ東京中の二胡屋さんに、その帰ってきた二胡を持ち込んで、この木は何ですかと聞いたところ、半分のお店はわからないと答え、光舜堂とそのほか一軒は縞黒檀ですと答えたのだそうです。
以前使っていて直しに出したものの写真を見せられたのですが、小さな写真で何とも答えようが無く、「以前のを私は見ておりませんのでお答えできません」としか言いようがなかったのです。
ただ、10年以上も二胡を弾いてきた方ですから、自分の二胡をそうそう見間違えるというのも、なかなか無いことだろうとは思います。
結局先生ともっとちゃんと話し合われてはと、言う話にはなったのですが、
私が見た限り修理されて帰ってきた二胡には、胴の裏にひびが入っていたのです。
では直していなかったのかと言うことも言えないのです、一ケ所は直してありましたから。
直していなかったのか、あるいは、その後、受け取ってから、入った罅なのかこれも正確には私には言えません。
どんな二胡でも、それこそわたし自身の作った物にしろ言えるのは、いつ罅が入ったりボンドの接ぎ目のところがが開いてくるのかは、環境にもよりわからないのです。
今の二胡の修理という事でこれは極端な話ですが、修理と言うのをお客様も、あるいは受ける方もとても不安定な状態ではあるのです。
ヴァイオリンの修理や調整をしている人とも話すのですが、楽器をいじっていることは好きだし修理をするのも好き調整し修理して、楽器がよみがえった時には、これは自分の楽器を作ることとは違う喜びがある、
私もそう思います。
しかし、私の調整が気に入らないという方もいるでしょう、私の修理が気に入らないという方もいると思います。
中には、いわゆるクレーマーと言う人もいるでしょう。
でも、ヴァイオリンの世界でも、どんどん優秀な人たちが修理と言うのを、そして調整と言うのをやめてしまって行くのです。
二胡の世界には、修理できるところがそれほど多くはありません、そこで中国や台湾へ楽器を戻して、直してもらうというのが一番多いようですが、もともと二胡を修理するという感覚のない世界ですから、様々なトラブルが発生します。
では、私が、大きな声で、日本中の二胡を直します、どうぞ送って下さい、とは言いにくいのです。
言えないでしょう、ですから光舜堂に持って来ていただいてちゃんと説明して、お互いに納得の上で治していく以外ないのです。
棹が折れた胴が割れた、木軸が動かなくなった、台が取れた、弦が外れやすいなど、あるいは二胡修理などの検索キーワードで光舜堂のHPや、ブログにたどり着く方は日々いらっしゃいます。
それを見るにつけても何とかしてあげたいとは思うのですが、お互いが納得できない状態での修理をお引き受けすると言うわけにはいきにくい気持ちが、優先してしまうのです。
先日もある方の棹の曲りを直していて、見事に塗装の中に隠されていた傷が現れました。
木軸の刺さる穴の処に綺麗に割れがあったのです。
それが、他の木が埋め込まれ、塗装されていてまったく外見ではわからなかったのです。(それが曲がりの一つの原因にもなったような気がします、かなり無理をかけていましたから)
そこで、お客様に画像をお送りし、薄い板を張り込んで補強を入れたい、当然費用が掛かりますがと伝えた時に、
「そのくらいならやって下さい」とのメッセージ。
これは嬉しかったです。
人によっては、そのくらい判らなかったのかと言う人もいるでしょう、さらにはすごい人は、もともとはこんな傷はなかったと言い張るかもしれないのです。確かに誰が見ても判らないくらいに綺麗になっていましたから。
塗装の凄さと言うのはここにあります。
建築現場などで木製の階段の板にある日傷がついているのを見つけ、すると、補修屋さんが来て、全く分からないように直します、木目を描きこんでいくのです。
凄いのは石の欠けたのにパテをして、石目を描いていくような人もいます。
ですから塗装をしてある二胡の修理と言うのは、なかなかに引き受けにくいのです。中に何が隠れているかわからないですから。
真っ白な木が塗装で黒檀のようにも見えるのです。現実そういうものが売られています。
二胡の修理と言うのは、楽器の修理調整と言うのは、信頼以外ないのです。
信頼できなければ、楽器の修理は出さない方が良く、むしろ出した以上信頼するしかありません。
もちろんどなたにも信頼されるようにはなりたいのですが、、、、、
ですから送ってもらっての修理と言うのはお互いに、大変です。
以前いらしたお客様で、銅のひび割れがあってそれを直してもらおうとしたときに、
大手の楽器屋さんや、和楽器を作っているところ様々にたづねあるって、結局はご自分の先生にお願いし、その友人の中国の工房へ送って直してもらったという話しがありました。
大手の楽器屋さんは、直せるけれど8万円。
和楽器屋さんは、6万円。
先生は4万円。
何処でこのような金額の差が出るのかはわかりませんが、やはりその道のプロに直してもらうというのが肝心だとは思うのですが、
最後の最後で一番大きな問題が、
先生に預けた二胡は、10年ぐらいも弾いていた紫檀だったのですが、戻ってきたのは明らかに違う、
そこで、『先生これ違います、お預けしたのは紫檀でしたよ」
ところが先生は、真っ向から否定だそうです。「私が預かったのはこの二胡です」と
私自身は、ご相談されて、修理されたはずの二胡を見せていただき、「これは縞黒檀です」と答えました。
この方は、それこそ東京中の二胡屋さんに、その帰ってきた二胡を持ち込んで、この木は何ですかと聞いたところ、半分のお店はわからないと答え、光舜堂とそのほか一軒は縞黒檀ですと答えたのだそうです。
以前使っていて直しに出したものの写真を見せられたのですが、小さな写真で何とも答えようが無く、「以前のを私は見ておりませんのでお答えできません」としか言いようがなかったのです。
ただ、10年以上も二胡を弾いてきた方ですから、自分の二胡をそうそう見間違えるというのも、なかなか無いことだろうとは思います。
結局先生ともっとちゃんと話し合われてはと、言う話にはなったのですが、
私が見た限り修理されて帰ってきた二胡には、胴の裏にひびが入っていたのです。
では直していなかったのかと言うことも言えないのです、一ケ所は直してありましたから。
直していなかったのか、あるいは、その後、受け取ってから、入った罅なのかこれも正確には私には言えません。
どんな二胡でも、それこそわたし自身の作った物にしろ言えるのは、いつ罅が入ったりボンドの接ぎ目のところがが開いてくるのかは、環境にもよりわからないのです。
今の二胡の修理という事でこれは極端な話ですが、修理と言うのをお客様も、あるいは受ける方もとても不安定な状態ではあるのです。
ヴァイオリンの修理や調整をしている人とも話すのですが、楽器をいじっていることは好きだし修理をするのも好き調整し修理して、楽器がよみがえった時には、これは自分の楽器を作ることとは違う喜びがある、
私もそう思います。
しかし、私の調整が気に入らないという方もいるでしょう、私の修理が気に入らないという方もいると思います。
中には、いわゆるクレーマーと言う人もいるでしょう。
でも、ヴァイオリンの世界でも、どんどん優秀な人たちが修理と言うのを、そして調整と言うのをやめてしまって行くのです。
二胡の世界には、修理できるところがそれほど多くはありません、そこで中国や台湾へ楽器を戻して、直してもらうというのが一番多いようですが、もともと二胡を修理するという感覚のない世界ですから、様々なトラブルが発生します。
では、私が、大きな声で、日本中の二胡を直します、どうぞ送って下さい、とは言いにくいのです。
言えないでしょう、ですから光舜堂に持って来ていただいてちゃんと説明して、お互いに納得の上で治していく以外ないのです。
棹が折れた胴が割れた、木軸が動かなくなった、台が取れた、弦が外れやすいなど、あるいは二胡修理などの検索キーワードで光舜堂のHPや、ブログにたどり着く方は日々いらっしゃいます。
それを見るにつけても何とかしてあげたいとは思うのですが、お互いが納得できない状態での修理をお引き受けすると言うわけにはいきにくい気持ちが、優先してしまうのです。
先日もある方の棹の曲りを直していて、見事に塗装の中に隠されていた傷が現れました。
木軸の刺さる穴の処に綺麗に割れがあったのです。
それが、他の木が埋め込まれ、塗装されていてまったく外見ではわからなかったのです。(それが曲がりの一つの原因にもなったような気がします、かなり無理をかけていましたから)
そこで、お客様に画像をお送りし、薄い板を張り込んで補強を入れたい、当然費用が掛かりますがと伝えた時に、
「そのくらいならやって下さい」とのメッセージ。
これは嬉しかったです。
人によっては、そのくらい判らなかったのかと言う人もいるでしょう、さらにはすごい人は、もともとはこんな傷はなかったと言い張るかもしれないのです。確かに誰が見ても判らないくらいに綺麗になっていましたから。
塗装の凄さと言うのはここにあります。
建築現場などで木製の階段の板にある日傷がついているのを見つけ、すると、補修屋さんが来て、全く分からないように直します、木目を描きこんでいくのです。
凄いのは石の欠けたのにパテをして、石目を描いていくような人もいます。
ですから塗装をしてある二胡の修理と言うのは、なかなかに引き受けにくいのです。中に何が隠れているかわからないですから。
真っ白な木が塗装で黒檀のようにも見えるのです。現実そういうものが売られています。
二胡の修理と言うのは、楽器の修理調整と言うのは、信頼以外ないのです。
信頼できなければ、楽器の修理は出さない方が良く、むしろ出した以上信頼するしかありません。
もちろんどなたにも信頼されるようにはなりたいのですが、、、、、
ですから送ってもらっての修理と言うのはお互いに、大変です。
私が中国で購入した二胡をCITES取得のために預けたとき、主人がすり替えられたら大変だからと写真をパシャパシャ(かなり大げさに)撮っていましたが、あれは必須事項だったのか、と納得してしまいました。
西野さんのできるだけたくさんのニーズに応えてあげたいというお気持ちはありがたいことですが、精神的なダメージは肉体疲労よりきますから、くれぐれも!ご無理をなさらないでいただきたいと思います。