ザ・コミュニスト

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異様な「蜜月」三角形

2017-02-12 | 時評

建国記念日なるものに格別の意味づけをする立場にはないが、いちおう法律上建国記念日として設定された日に国を代表する施政者はアメリカで大統領とゴルフ三昧。そんな国はおそらく日本以外になかろうが、それもほとんど問題とされないところに、日本と米国の本当の関係が投影されている。

現在、安倍政権はトランプ政権との蜜月関係構築に躍起となっており、そのことが戦後歴代首相の中でも最も愛国者を自任する(はずの)首相をして建国記念日に渡米ゴルフの決断をさせたのであろう。

周知のとおり、トランプ政権は人権無視の差別的入禁政策で内外の批判を浴びている状態であるが、それについては黙して、トランプ政権と蜜月関係を結びたがる日本は、国際社会からトランプ政権と同類の排外主義の国とみなされてもやむを得ないだろう。

そればかりではない。安倍政権は「麻薬犯罪者殺害政策」を掲げるフィリピンのドゥテルテ政権―果たしてトランプからも「評価」された―とも蜜月関係を結び、中国と競い合うようにして援助を拡大してみせた。「麻薬犯罪者殺害政策」を幇助するも同然であり、国際社会の視線はトランプ蜜月以上に厳しいものとなるだろう。

トランプといい、「フィリピンのトランプ」たるドゥテルテといい、21世紀的価値観からはかけ離れた人権無視の奇矯な政策を掲げて物議を醸す両首脳と安倍を結ぶ「蜜月」三角形は、日米同盟堅持とか歴史的な日比友好などの大義名分を立てたとしても、異様である。

しかし、国内ではこれを異様と見る人は少数でしかないようだ。深読みすれば、やはり日本国民の大方は人権感覚に乏しく、トランプやドゥテルテの同類ないしはシンパなのだろうか。そうは思いたくないのだが。

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