国民議会
構成及び選挙
【第46条】
1 国民議会は、以下のような選挙制度に従って選ばれた350人を下らず、400人を越えない男女によって構成される。
(a)国の法律によって明記されていること。
(b)全国共通の選挙人登録に基づくこと。
(c)選挙年齢を18歳以上とすること。
(d)おおむね比例代表の結果となること。
[第1項は2003年第10次憲法修正法第1条及び2009年第15次憲法修正法第1条により改正]
2 国会の法律は、国民議会議員の定数を決定するための方式を定めなければならない。
第46条から第59条までは、議会の中核を成す国民議会(下院/衆議院に相当)の制度概要が規定されている。おおむね比例代表制とすることが明記されている。定数は上限と下限を憲法上明記して、議会の立法裁量を制約している。全国共通の選挙人登録に基づくことを特に明記しているのは、アパルトヘイト時代、有色人種の参政権が排除または制限されていたことを転換し、全人種参加選挙制度を樹立するためでと考えられる。
議員の資格
【第47条】
1 国民議会の選挙権を有するすべての市民は、以下の場合を除き、国民議会議員の被選挙権を有する。
(a)次の者を除き、国によって任命され、または国の公務に就いており、かつその任命または公務により報酬を受け取っている者
(ⅰ) 大統領、副大統領、大臣及び副大臣
(ⅱ) その職務が国民議会議員の職務と両立し、かつ国の法律により両立すると宣言されているその他の公務員
(b)全州評議会の常任代議員または州議会の議員もしくは市評議会の議員
(c)更生していない破産者
(d)共和国の裁判所によって精神障碍を宣告された者、または
(e)本条項の発効後、共和国内で、または共和国外の場合は共和国においても罪となる犯罪行為を犯し、罰金刑を選択できない1年以上の拘禁刑に処せられた者。ただし、有罪判決または量刑に対する上訴審判決が確定するか、上訴期間が満了するまでは、何人も刑を受けたものとはみなされない。この号の下での欠格は、刑期の満了から5年後に終了する。
2 第1項a号またはb号の規定により国民議会議員の被選挙権を持たない人は、国の法律によって定められた何らかの制限または条件に従う限り、候補者となることができる。
3 国民議会議員は、以下の場合にその資格を失う。
(a)被選挙権を失った場合。
(b)議会の規則及び命令が資格喪失を規定する状況で、許可なく議会を欠席した場合。または
(c)議員候補者に指名された政党の党員ではなくなった場合。
[第3項は2003年第10次憲法修正法第2条及び2009年第15次憲法修正法第2条により改正]
4 国民議会の欠員は、国の法律の規定によって補充されなければならない。
本条は国民議会議員の資格について詳細に定めている。原則として公務員との兼職は禁じられるが、正副大統領や閣僚が除外されるのは、これらの行政職は国民議会議員から選出または任命されるからである。比例代表制を基本とするため、指名を受けた政党の党員でなくなれば、自動的に議員資格を失う。無許可での欠席が資格喪失事由とされているのは、当然とはいえ議員の議会出席を確保する趣旨である。
宣誓及び誓約
【第48条】
国民議会議員は、議会でその職務を開始する前に、附則第2条に従い、共和国への忠誠及び憲法への服従を宣誓し、または誓約しなければならない。
国民議会議員は国家及び憲法への忠誠服従を宣誓または確約することが義務付けられている。