竹島の領有権問題などをめぐり、野田首相の親書を送り返した李明博・韓国大統領の異例の対応について、米国有識者らは現実的な経済・安全保障上の損得を考えない偏狭な発想だと批判している。
米外交問題評議会のスナイダー上級研究員は「李大統領の日本に対する考え方は偏狭だ。限定的な問題を過度に強調することで、韓国の地域的、地球規模の利益を犠牲にした」と論評。日韓両国は経済的にも安全保障上も、互いに互いを必要としていると指摘した。
ワシントンの米韓関係者は「李大統領は独島を守ると勇ましいが、日本が武力で攻めるとでもいうのか?」と冷ややか。さらに、「戦後、日本は韓国を経済支援してきた。北朝鮮が爆発した際に頼れるには米国と、なによりも隣国の日本ではないのか」と語る。
尖閣諸島問題にあっても中国で国内から識者の声として「尖閣諸島は日本領土」という声が出てきた。
中国広東省の民間企業幹部が24日、中国版ツイッター「微博」で「1949年から71年まで中国政府は釣魚島(尖閣諸島)を日本の領土と認めていた」と発言した。
日本領有を示す53年1月の中国共産党機関紙、人民日報の記事や、複数の公式地図など根拠を挙げている。「知識の無い大衆が中国共産党に踊らされたことが分かった」とする賛同の見方が広がっている。
中国当局が監修した53年、58年、60年、67年に発行した地図の画像も示したが、「尖閣諸島」「魚釣島」などと標記してある。日中境界線も明らかに日本領土を示している。としている。
「当局にタダで使われて反日デモを行う連中には困っている」との声も出ている。
中国政府の領土拡張主義、愛国心に訴えての世論操作、自ら招いた失態とは言え、政府の弱腰としてエスカレートする騒動が政権基盤を危うくする事態に向かうことは中国政府も本心ではなかろう。冷却期間を置く、棚上げとする。登小平が示した案がこの際、良い案かも。