手賀沼アララギ短歌会

千葉県我孫子市で開催している短歌会のブログです。一緒に短歌を楽しみませんか。

年刊詞華集2012掲載作品

2013年12月06日 | 会員の作品
現代短歌社が発行した「年刊詞華集2012」に、当研究会から以下の作品が掲載されました。

三谷和夫
・茂吉先生詠みにし雁をこの沼に呼ばむ願ひて我は老いゆく
・「百年後の手賀沼」といふ文集成る大人は大方夢を語らず
・街の誇る沼の底土セシウムのベクレル高きを語る人なし
・焼却灰の引き取りを市は断らる今放射能にまみるる心地す
・戦争をなすべからずと念じ来てわが戦争を書かず語らず
・凸凹の歩道を自転車こぎて走る馬に乗るごと足ふんばりて
・わが庭に黒揚羽来てただよへば久しく会はぬ人の思はる

須田博
・留守居して暇持て余す日曜日郵便は来ず夕刊もなく
・冬至の湯ひびあかぎれを癒すと言ふ柚子を浮かべて手足を擦る
・我武者羅にただ只管(ひたすら)に白球を追ひし青春夢に顕ちくる
・大都市の弱さを露呈す僅かなる雪に麻痺する交通手段
・怖ろしき夢に目覚むる真夜中に梟の声不気味に聞こゆ
・隠れん坊面子ビー玉独楽回し路地に童の昭和の遊び
・夾竹桃終戦の日も咲きゐしと我戦場に在りて知らざりしこと
・サークルに室伏広治は絶叫す鉄球遠くへ飛ばさむとして
・老い二人その日の話題さして無く昔の思ひ出ただ繰り返す

今野英山
・フィレンツェを追はれしダンテがこの門を潜りて見しは腐敗のローマか
・幾十の干し物かかる路地裏に滴(しづく)よけつつナポリを歩く
・カンツォーネの悲しき音色奏でつつマンドリン弾きは席に寄りくる
・欲望のままに見えゐしこの街に「七つの慈善」のカラバッジョの絵
・身を投げむことあるならば海岸(うみぎし)の碧きに揺るるミモザの花へ
・段状に崖を刻みし海の民レモンの畑(はた)に生計(たつき)たてたり
・ポケットにモザイクひとつハドリアヌスの浴室飾りし栄華の欠片(かけら)

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