2月 15日

2020-02-14 13:40:25 | Weblog
                    下萌・草萌・草青む


     西行の跡いくたびの草の萌え         細見綾子


     草萌ゆる予科練生の夢見し地         栗田やすし


     弁当の蓋の米つぶ土手青む          河原地英武


     空濠に角突く鹿や草萌ゆる          奥山ひろみ


     草萌に鱗とばして鯛捌く           上杉美保子


     下萌や杭一本の馬の墓            森垣一成


     誰もゐぬ鵜舟溜りや草青む          倉田信子


     下萌の地のずれまざと地震のあと       山たけし


     御手洗の水の煌めきなづな萌ゆ        武田稜子


     草青む野につながれし山羊二匹        清水弓月


     飛火野に鹿のぬた場や草青む         江口ひろし


     下萌えや子羊乳房へ駆け寄れり        中根多子



          



     萌え出でしばかりの草を耘れり        富安風生


     てらてらと目刺を干して草青む        清崎敏郎


     断崖に萌え出てすでに石蕗の艶        能村登四郎


     獄に棲み鋲のごとしや下萌ゆる        秋元不死男


     もの縫へば何やら安し草萌ゆる        中村汀女


     下萌えて土中に楽のおこりたる        星野立子


     四阿の柱をめぐり草萌ゆる          山口青邨




          
     
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする