2月 26日

2020-02-25 13:32:38 | Weblog
                     野蒜・野蒜摘む


     国分寺跡へのびるを摘みながら          細見綾子


     猪垣の一坪畑や野蒜萌ゆ             中村修一郎


     渡し守畦の野蒜を摘みくれし           栗田せつ子


     大獅子の台座の野蒜つみにけり          平 千花子


     草くぐり来し水音や野蒜摘む           中野一灯


     鈴鹿嶺の風くる土手に野蒜掘る          国枝洋子


     野蒜生ふ長者屋敷の在りし跡           武藤光晴


     蔵王嶺の雲脱ぐ日和野蒜摘む           近藤文子


     野蒜摘む匂ひ漂ふ陶干し場            澤田正子


     七面の氷場跡や野蒜摘む             石川紀子


     晴れ渡る伊吹の裾や野蒜摘む           利行小波


     雨あとの土の匂ひや野蒜つむ           松平恭代



          



     ゆく雲の幅だけ翳る野蒜摘            能村登四郎


     野蒜摘む老婆の爪のひび割れて          夏目雅子


     汗ばみて指美しや野蒜籠             石橋秀野


     野蒜など摘み来てすぐに洗ひ置く         高木晴子


     白鷺の翔び交ふ下や野蒜摘む           石田あき子


     雲影をいくたびくぐる野蒜摘           福永耕二
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