１２月 ２日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　鍋料理全般・鋤焼・鍋焼・ほか


　　　　　山野跋渉せし猪肉の薔薇色　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　鴨鍋を囲み水郷巡りかな　　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　ちり鍋や奉行の下知は国ことば　　　　　　　伊藤旅遊


　　　　　刻み葱盛れるだけ盛りどぜう鍋　　　　　　　矢野孝子


　　　　　鮟鱇鍋カオスのごとく滾らせり　　　　　　　武藤光晴


　　　　　職決めし子と牛鍋を囲みけり　　　　　　　　太田滋子


　　　　　鴨鍋や父に一揆の血の流れ　　　　　　　　　森　靖子


　　　　　突つかけで牛鍋の具を買ひ足しに　　　　　　山下　護


　　　　　榾足して蒟蒻鍋の吹きこぼる　　　　　　　　谷津政子


　　　　　衝立に上衣ひつかけ牡丹鍋　　　　　　　　　森垣一成


　　　　　灯の入りて鬼平居さふな鴨鍋屋　　　　　　　篠田法子


　　　　　鍋焼の花麩好みし母たりし　　　　　　　　　鈴木真理子



　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　


　　　　　火のまはりよき花冷えの牡丹鍋　　　　　　　能村登四郎


　　　　　猪鍋や山の入日の下ぶくれ　　　　　　　　　鍵和田釉子


　　　　　泥鰌鍋どぜうの顔は見ぬことに　　　　　　　今井千鶴子


　　　　　二階より素足降り来る桜鍋　　　　　　　　　鈴木鷹夫


　　　　　舌焼きてなほ寄鍋に執しけり　　　　　　　　水原秋櫻子


　　　　　大根が一番うまし牡丹鍋　　　　　　　　　　右城暮石


　　　　　月島の夜を待つ人や泥鰌汁　　　　　　　　　長谷川かな女



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「個人の努力の段階を過ぎた」と言えども密にならない
　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　手洗い・うがい・そしてマスクの着用で自分と大切な人を守りましょう