山眠る
中国の「臥遊録」の「冬山惨淡として眠るが如し」から》冬の山の静まり返ったようす
秋は「山粧ふ」、春は「山笑ふ」と、擬人法の典型のような季語であり、夏は「山滴る」でですが、
これは季語としないという意見もあって、歳時記によっては掲載の無いものも有るようです
うつすらと裾見せて富士眠りをり 栗田やすし
ふところに火止めの窯や山眠る 矢野孝子
山眠る火気厳禁の札立てて 斉藤真人
殉教の谷の十戸や山眠る 山下智子
崩落のあとまざまざと山眠る 平松公代
噴きあがる湯の轟きや山眠る ころころ
肘張りて眠れる山の比叡かな 岸風三楼
火の山や噴煙あげしまま眠り 水原 春郎
土いまだ木の葉のかたち山眠る 正木ゆう子
山眠り石で囲ひし楮畑 大峯あきら
いくたびも虹を吐いては山眠る 高野ムツオ
薄目せる山も混りて山眠る 能村登四郎
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