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春寒し・春さむ・料峭
立春を過ぎたのちからの寒さのこと。余寒と同じでですが、語感や情感のうえで微妙な違いがあり、
春寒は、余寒よりも春への思い入れが強い感覚
春寒や障子の外に藪のある 細見綾子
地下鉄で眉描く少女春寒し 栗田やすし
面接の椅子ひとつ置き春寒し 河原地英武
春寒や歯を抜きし顔ピエロめく 下里美恵子
邪鬼いつも上目遣ひや春寒し 国枝隆生
春寒し草屋にひびく沢の音 ころころ
春寒や竹の中なる銀閣寺 芥川龍之介
かりそめの情は仇よ春寒し 高浜虚子
人遠くあり春寒のジャスミン茶 林 翔
家うちにとどまる春の寒さあり 稲畑汀子
春寒や道ほそぼそと阿弥陀堂 阿波野青畝
使はるゝ身より使ふ身春寒き 鈴木真砂女
料峭をまつさきに胃が受け止むる 能村登四郎
料峭のこの道行けば波の音 行方克巳
料峭のこぼれ松葉を焚きくれし 西村和子
料峭や藁すべ散らし神事果つ 辻江けい
料峭や喪主と呼ばれて夫送る 山本悦子
料峭の風に刀工ほほ冷やす 米元ひとみ
サイトから一部資料・写真お借りしています
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