（鬼灯・酸漿）
鬼灯のまだ真青なる二つ三つ 若山 良子
鬼灯の水にほひたつ浅草寺 杉山青風
鬼灯市妻も下町育ちかな 水原春郎
（姫檜扇水仙・ひめひおうぎずいせん）
現俳のデータベースに主宰とせつ子先生の句を足すことが出来た
俳人協会の主宰を現俳協のデータベースに乗せることに躊躇もなく
協会の担当も異論も無かった。
現俳協の良いところはウエルカムな姿勢・拘りが無い
ボランティアでもそういう活動をしているととても勉強になるが
と言ってもあまり誤りが多いと下ろされる 少しの緊張はいいものだ
・・・・目は疲れます・・・・
香水に縁なき暮し一生涯 細見綾子
何よりも香水選ぶ夜もあり 対馬康子
明日は浅草寺ほおずき市四万六千日です。
お寺では毎月「功徳日」という日があり特に７月１０日のお参りは
四万六千日分のご利益があると言われています
明日は夕方からころころも出没する予定でいますので
もしお出かけの方がいらっしゃいましたらご連絡ください
どの顔も浅草の顔四万六千日 ころころ
（南瓜の花）
山里の朝のかがやき花南瓜 村田 脩
花南瓜農夫に読まれ本白し 秋元不死男
花南瓜はいはいと婆逆らはず 辻田克巳
（ 笹飾り・七夕 ）
七夕竹惜命の文字隠れなし 石田波郷
七夕や髪ぬれしまま人に逢ふ 橋本多佳子
七夕や別れに永久とかりそめと 鷹羽狩行
（ 金魚 ）
セルを着て稚き金魚買はむなど 沢木欣一
いつ死ぬる金魚と知らず美しき 高浜虚子
金魚売買へずに囲む子に優し 吉屋信子
（ 冷抹茶 ）
甘いものがつづいて冷えた抹茶を用意しました
どうぞ召し上がれ・・・
ここのところのガソリンの高騰で通勤を電車にしています
慣れてしまえばバスや電車は快適で行き帰りの車内では文庫本サイズの
句集や俳句関連の本を楽しんでいます 家に帰っても俳句の本
考えてみれば俳句関連の本を開かない日は無いのです
（俳人今瀬剛一さんが片手間では上達などしない
仕事（家事）と二足草鞋の覚悟で望むことが大切だと仰った）
手元にある一番古い結社誌が昭和４２年「馬酔木 ９月号」
主宰は水原秋桜子 同人・百合山羽公・朧春一・佐野まもる・石田波郷
相生垣瓜人・米沢吾亦紅・相馬遷子・及川貞・下村ひろし・杉山岳陽
能村登四郎・林翔・望月たかし・・・・など等そうそうたる名前が並ぶ
その同人欄「九月集」から杉山岳陽の７句をご紹介します
「清瀬の雨」 杉山岳陽
＊秋桜子先生より波郷病変を告げられ、先生に遅れ清瀬に着く
汗の顔出す苦虫のきたかと云う
脈とらす師弟を前やえご散る日
えご散らす雨かも波郷混迷裡
＊その夜われ帰宅
えごの雨ありよう電話師へしぶる
＊その後の波郷
濃あじさい死を越えたりし痩強面
＊波郷居に婦人を訪ふ
茂りあふ庭のくらさに触れてをり
鮨食うて言のつぎほのなかりけり
同月「馬酔木集」（一般投句欄）
石田あき子 （波郷夫人）
郁子の実の小鈴のごとき梅雨入かな
白靴買ふ乏しき金を数へ買ふ
病院がわが家のごとし瓜刻み
清瀬よりはたた神連れ帰りけり
「わが愛する俳人」第一集より
昭和４３年 石田波郷
万両や癒えむためより生きるため
かへり来し命つつしめ白菖蒲
昭和４４年
今生は病む生なりき鳥頭（とりかぶと）
今日のブログは長くなりましたが、師も病人本人も見舞いの人も夫人も
俳句を中心としてどんな環境下でも詠むことをやめません
生半可でない俳句道・これが二足草鞋の一足でしょう
（ 涼甘味 ）
出雲には佳き菓子のあり紫陽花忌 長谷川史郊
楽はいまセロの主奏や氷菓子 松尾いはほ
氷菓子とぶやうに売れ爆心地 石崎多寿子
（葛切）
葛切に硝の箸のみゆるかな 長谷川 櫂
葛切の井のすずしさを掬ふごとし 大野林火
葛切を水の流れのさまに盛り 檜 紀代
（ 鬼百合 ）
鬼百合に白き雨降る吉野村 山田弘子
しづけさは鬼百合の丈そのあばた 森澄雄
鬼百合の咲いても散つてもめまいくる 松本恭子
（ お山開き ・下谷小野照崎神社 ）
注連切つて青無垢の山開きけり 関森勝夫
お山開きし甲州街道となりにけり 富安風生
天に満つ星の時間や山開き 宮地良彦
撒く塩の草に音たつ山開き 福田甲子雄
