11月20日

2008-11-20 16:48:51 | Weblog

      (唐橘・からたちばな)

 

一昨日に引き続き、百両の実です。

 

青き葉の添ふ橘の実の割かれ       日野草城

 

橘の赤き実を愛づ旅に出て         瀬戸口民帆

 

飛鳥野に橘実のる古りし寺          寺田青胡

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11月19日

2008-11-19 15:48:11 | Weblog

      ( 一茶忌 )

 

         新米やあてにして来る墓雀  

 

         神前の草にこぼして新酒哉 

 

         杉の葉を釣して売るや濁り酒  

 

今日11月19日は小林一茶の忌日です。芭蕉さんから70年ほど後の

江戸時代を代表する俳諧師はご存知のことでしょう。

ころころが一茶に興味を持ったのは相撲(角力)の句を

たくさん詠んでる事を知ってからです。一茶の句を読むうちに、あまりに自虐的

な句が多いことに驚かされました。

 

        一茶忌や口やかましき人ばかり      瀧井孝作

 

       一茶忌や父を限りの小百姓        石田波郷

 

       一茶忌の雀の家族焚火越す        秋元不死男

   

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11月18日

2008-11-18 18:05:39 | Weblog

       ( 藪柑子・やぶこうじ)

 

千両・万両と冬に赤い実をつける植物はご存知のことでしょう

この藪柑子が十両と呼ばれていることは、ころころは知りませんでした

ついでに調べてみたら、百両は唐橘で、まさかと思った一両は蟻通(ありどおし)

探して写真に撮ってまいりましょう。

 

藪柑子もさびしがりやの實がぽっちり     種田山頭火

 

吉良さまを敬ふ寺の藪柑子          能村登四郎

 

狭庭には狭庭の日ざし藪柑子         白岩 三郎


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11月17日

2008-11-17 20:31:36 | Weblog

      ( 冬珊瑚 )

 

冬珊瑚ころと呑みこみ尾長去る       谷 和子

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11月16日

2008-11-16 09:15:25 | Weblog

     ( 出雲崎・良寛記念館・五合庵 )

 

     やさしさはりょうかんさまが、世界一    まりあ

 

今朝のNHK「小さな旅」は新潟出雲崎、良寛さまの出生・終焉の地でした。

写真の左手に写っているのが晩年を過ごした庵「五合庵」八畳くらいの広さで、

柏崎で多くの被害が出た地震の前年の夏、連衆と旅をした時の写真です

放送の中で地元の小学四年生の子供たちが,学校から1時間を歩き海岸沿いの

良寛堂へ行き、そこでお弁当を食べて、指折り俳句を詠んでいます。

この句を詠んだ、まりあちゃんは「あれ、季語がないや」といって屈託のない笑顔

です。10歳の少女がおばあちゃんとハイキングした五合庵、地元に根ざした

良寛さまへの思いは子供たちに確かに伝えられていました。この少女の感動が

まさに俳句のこころなのでしょう。

 

良寛の辿りし峠草紅葉         沢木欣一

 

良寛の地や煉炭の大包み       宮坂静生

 

良寛の遊びし村の雪景色        太田土男



 

 

 

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11月15日

2008-11-15 18:18:01 | Weblog

        ( 野路菊 )

 

雑菊と云ひて床しき菊ありし        相生垣瓜人

 

冬菊のまとふはおのがひかりのみ    水原秋櫻子

 

花はみな四方に贈りて菊日和       宮沢賢治

 

下駄にのる踝小さし菊日和         鈴木真砂女

 

   ☆ 今日15日は七五三,3歳の男女児、5歳の男児、

7歳の女児の成長を祈って神社に詣でる。かつては、乳児の時

剃っていた髪を伸ばし始める「髪置」、初めて袴を着ける「袴着」

紐付きの着物をやめて本式の帯を結ぶ「帯解」という通過儀礼も

有った。

  *作句のポイントは子を思う親の気持ち,晴れがましさに喜ぶ

子供の姿など、時代を超えて変わらない。目先の新しさだけでなく

その奥にある変わらないものをつかむといい。

 (創元社 俳句の暮らしと行事・下巻より)

      

 

花嫁を見上げて七五三の子よ       大串 章

 

椀種に花麩の浮ぶ七五三         佐藤麻緒

 

一の宮の大日だまりや七五三       山崎房子






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11月14日

2008-11-14 09:35:10 | Weblog

       ( 高野箒 )

 

身に入むや高野箒のうちふるヘ     佐々木六戈

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11月13日

2008-11-13 00:31:06 | Weblog

     ( 沢胡桃黄葉 )

 

一樹には収まらぬ風沢胡桃      岡田史乃

 

沢胡桃山にも後ろ姿ありて       北野民夫

 

同齢の樹ならむ黄葉いつせいに    福永耕二

 

   ☆ 今日13日は月齢15.2,満月です。この月齢、耳にした

事はあると思いますが、ご存知でしょうか?大まかに言えば新月

(月の初めの眉のような細い月)から数えての日数で月齢15が満月

となります。ぴったり15になるのが昼間なので、月の見える時間が

15.2となるわけです。この月齢+1の整数が旧暦の日付とほぼ

合います。 今日は久しぶりの小春日でしたね。

どうぞ,外に出て冬の月を詠んでみましょう

 

     冬満月 やっと眠らす眼鏡拭く    三田村弘子

 

     冬満月歩幅ひろげてゆく一人    幡野千恵子

 

     冬満月佐渡より寄する波がしら    文挟夫佐恵

 

 

      







 

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11月12日

2008-11-12 06:22:19 | Weblog

     ( 黄葉 )

 

日を散らし銀杏黄葉の散り止まず     岡安仁義

 

いぬつげの黄葉の下の有馬径       前田普羅

 

沙羅黄葉枯山水を明るくす          高見孝子

 

からまつ黄葉くつ音若くゆく湖畔       福永みち子

 

倉庫裏銀杏黄葉が明るくす          沢木欣一

 

 


                    ゆりの木の着替へのさまに黄葉す     ころころ







      

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11月11日

2008-11-11 05:49:00 | Weblog

       ( 実南天 )

 

八十路てふ節目重たし実南天        鈴木ふみい

 

乳足りて嬰児の小ごゑ実南天        橋本郁子

 

起きぬけの水の硬さや実南天        織野 健一

 

   ☆朝からの寒気で早退する。帰宅し眠れて少し楽になった

こんな時にはいつも布団の中で句集を読むことが多いが選んだ

句集が永田耕衣「殺祖」・・・また頭が痛くなってきた。  

 

   

       おちこちの骨の泣声風邪ごこち       ころころ





 

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