( 冬林檎 )
窓にいま太陽生まる冬林檎 花谷和子
冬林檎割れば光の溢れ出す 岩淵喜代子
俎を傷つけて割る冬林檎 今瀬剛一
冬林檎いつも後れて笑う父 松本滋子
独り言
仕事の帰路、小腹がすいたのでスーパーに寄る。
綺麗に並べられた果物の棚にあった真っ赤な林檎 この時期には真赤は余り見かけない
買うともなしに手にとるとずっしり重い、いい香りである それよりもその色艶に何となくひかれ
一個買う 食べたくて買ったわけではないのです 結構値段もいい
殺風景な本棚に置いて本棚が華やいだ 数百円の贅沢が俳句詠みの気持ちを潤す
本棚に置きたくて買ふ冬林檎
( 熱燗 )
熱燗をつまみあげ来し女かな 中村汀女
熱燗や男同士の労はりあふ 滝春一
熱燗や心おきなき友あらば 高浜年尾
熱燗に饒舌続く旅の宿 天野美代子
独り言
伊吹嶺の仲間数名で今日から青森津軽,太宰の斜陽館を中心の旅に出かけました
この二三日の大雪で心配ですが、今ごろはランプの宿でランプ下の句談義と熱燗に
酔っていることでしょう 多くの佳句をお土産に無事お帰りになる事を祈りしたい
( 伊吹嶺関東支部 新年句会 )
昨日は栗田先生の出席を仰ぎ、加えて名古屋から矢野さん、藤田さん、山下さんの参加も頂き、盛大に新年句会を終えてきました
主宰特選句は
全集に父の書き込み寅彦忌 栗生晴夫
残念ながらころころの句は主宰選に入りませんでした高得点句は
スカイツリー見上ぐる路地に布団干す 関根切子
ころころは5句投句,4句選に採られました 互選結果は良かったのですが
先生に採って頂いてないので推敲の上またここに記することにします
( 節分草 )
昨日よりけふの日差しの節分草 中村祐子
ふたり棲む節分草をふやしつゝ 黒田杏子
咲くだけの光あつめて節分草 高橋悦男
節分草蛇笏の山の蒼みけり 郡 嵐子
独り言
今日は伊吹嶺関東支部の新年俳句大会です すでに投句済みの清記表から五句、選特選一句
を選び選句表に書いて提出、句会場では披講のみとなります
清記表を頂いてから約一ケ月,時間があればあるほど選は幾度と変わりました
表面にとらわれたり、情に流されていないか試されているような時間でした
句会では一見華やかな句に選が集中するもの仕方の無いことです
その中で、自分なりの選句で秀作を見つけたいと思う
今日おいでになる主宰の選は十句、いかに同じ選となるかも楽しみです