７月 ３日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　枇杷・枇杷もぐ・枇杷の種


　　　　　房総の色たしかなる枇杷貰ふ　　　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　アパートの三角出窓枇杷熟す　　　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　雨七日落つるにまかせ小粒枇杷　　　　　　　　　　下里美恵子


　　　　　枇杷は黄にオランダ坂の石畳　　　　　　　　　　　吉田青楓


　　　　　大粒の種まろやかや枇杷啜る　　　　　　　　　　　磯田なつえ


　　　　　癒え兆す素直に剥くる枇杷の皮　　　　　　　　　　平松公代


　　　　　枇杷をもぐ女きゃたつを仁王立ち　　　　　　　　　 関根近子


　　　　　国盗りの城の抜け道枇杷青し　　　　　　　　　　　奥山ひろみ


　　　　　枇杷熟るる空き家となりし友の家　　　　　　　　　菊池佳子


　　　　　枇杷熟るる番場宿への道しるべ　　　　　　　　　　長江克江


　　　　　枇杷熟るる鑑真さまの御前に　　　　　　　　　　　本多俊枝


　　　　　ゆるやかに煙吐く島枇杷熟るる　　　　　　　　　　服部鏡子



　　　　　　　　　　


　　　　　木の上にひとり枇杷くふ童かな　　　　　　　　　　正岡子規


　　　　　青峡の中に一樹の枇杷の鈴　　　　　　　　　　　　富安風生


　　　　　黒衣より掌を出し神父枇杷をもぐ　　　　　　　　　津田清子 


　　　　　すゞしさにいくらも喰ふや枇杷の玉　　　　　　　　夏目成美


　　　　　洋傘は腕に掛くべし枇杷買ふべし　　　　　　　　　岡本　眸


　　　　　江の電にすれすれ枇杷の熟れにけり　　　　　　　　清崎敏郎


　　　　　金色のコーランの文字枇杷熟るる　　　　　　　　　有馬朗人



　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　ご自分と大切なご家族を守るために三密を忘れなく
　　　　　　　　密閉、密集、密接を避けましょう手洗い、うがい、マスクの着用　を日常に
　　　　　　　　もう少しの我慢です