12月 11日

2024-12-11 05:19:21 | Weblog

                初氷・氷・氷張る・氷田・氷点・氷塊・結氷・氷上・氷面鏡

 

 

 

 

                

 

 

 

          氷上に夫婦の旅嚢一個置く         沢木欣一

 

          氷割って漬菜取り出すその暮らし      細見綾子

 

          神の鹿跳んで踏み割る初氷         栗田やすし

 

          池の端に風の筋目の初氷          国枝洋子

 

          薄氷の岸を離れてかがやけり        矢野孝子

 

          地下足袋の跡や棚田の初氷         夏目隆夫

 

 

 

 

                

 

 

 

          日ざかりの氷塊に立つ魚の鰭        水原秋櫻子

 

          遅刻教師に八方まぶし初氷         福永耕二

 

          初氷夜も青空の衰へず           岡本 眸

 

          美しき言葉さやげる氷面鏡         寺井谷子

 

          紙の村紙の薄さの氷張り          滝 佳杖

 

          氷塊となりつゝ滝の響きつゝ        夏井いつき

 

 

 

                

 

 

 

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12月 10日

2024-12-10 06:26:31 | Weblog

                 霜・初霜・霜の花・はだれ霜・強霜・霜だたみ・霜どけ

 

 

 

                

 

 

 

          日の出待つ霜の藁塚地に充てり       沢木欣一

 

          初霜や紫の玉みやげとし          細見綾子

 

          師は遠し白鳥句碑に霜の花         栗田やすし

 

 

 

                

 

 

 

          職引いてぽつぺん鳴らす霜夜かな      国枝隆生

 

          産声待つ霜夜の廊下行き来して       矢野孝子

 

          薄墨の筆ペン握る霜夜かな         伊藤範子

 

          手で払ふテントの霜や深山晴        中野一灯

 

          終電の窓の灯や霜降る夜          武藤光晴

 

          休み田の霜のまぶしき朝かな        ころころ

 

 

 

                     

 

               霜柱という植物ですシソ科多年草であり、枯れた茎に霜柱(霜華)が出来ることで知られる。

               宿根性 花は9-10月頃に咲く。茎の先端側半分くらいの葉腋から総状花序を出す。花序の軸は真上に

               伸び、花はその軸に茎の先端側に偏ってつきます

 

 

 

          霜柱俳句は切字響きけり          石田波郷

 

          百花園初霜の門ひらきけり         鈴木真砂女

 

          一霜の降りたる竹の箒かな         長谷川櫂 

 

          初霜や斧を打ちこむ樹の根つこ       秋元不死男

 

          初霜や底より湧いて鯉の色         広瀬直人

 

          切株のはなればなれに霜を待つ       福永 耕二

 

 

 

                     

 

 

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12月 9日

2024-12-09 05:13:05 | Weblog

                             湯豆腐

 

 

 

                

 

 

 

          湯豆腐の崩れを掬ふ陶(すえ)の匙     清水弓月

 

          湯どうふの半丁で足る一人の夜       松島のり子

 

          湯豆腐や父に酌する里帰り         谷口悦子

 

          湯豆腐や昔競ひし恋仇           渡辺慢房

 

          日溜りに湯豆腐の旗南禅寺         花田紀美子

 

          湯豆腐を崩すばかりや酔ひの箸       ころころ

 

 

 

 

                

 

 

 

 

          湯豆腐やいのちのはてのうすあかり     久保田万太郎

 

          二年や獄出て湯豆腐肩ゆする        秋元不死男

 

          湯豆腐やつやつや光る女の手        村山古郷

 

          湯豆腐の崩れぬはなく深酔す        福永耕二

 

          湯豆腐にめがねくもらす別れかな      木村里風子

 

          湯豆腐や若狭へ抜ける京の雨        角川春樹

 

 

 

                

 

 

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12月 8日

2024-12-08 05:12:43 | Weblog

                         鰤・寒鰤・鰤揚げ場

 

 

 

             最近では「夏が旬」とうたうブリのブランドも登場しているが、天然の大物、ブリが美味しくなる

             旬の時期はたっぷりと脂を蓄え南下する12月~2月の冬が旬。 この時期のものは「寒ブリ」と呼ばれ

             非常に人気が高い。 この時期は主に日本海側で沢山穫れ、太平洋側では少し遅れ2~3月に多く

             水揚げされます。能登半島地震の被害が大きい富山県氷見市の氷見魚市場で2日朝、「初競り」が

             ありました。ブランド魚「ひみ寒ぶり」は一本200万円で競り落とされたという事です。

 

 

 

                

 

 

 

          鰤あげ場提灯をどる男の肩         細見綾子

 

          水槽にゐて寒鰤のあらはなり        栗田やすし

 

          舌先にさぐる小骨や鰤大根         中野一灯

 

          皺の手で大鰤捌く朝市女          武藤光晴

 

          寒鰤のかま断つて出刃曇りけり       大島知津

 

          寒鰤の跳ねて市場の水たたく        山たけし

 

 

 

                

 

 

 

          二三言言ひて寒鰤置いてゆく        能村登四郎

 

          寒鰤に一句授る魚市場           鈴木真砂女

 

          鰤大根沖まで晴れて日本海         梶山千鶴子

 

          寒鰤に祝儀値付きし手締かな        渡辺安江

 

          鰤大根子はいつ酒を覚えしや        田村糸女

 

          酒すすむ氷見の寒鰤刺身かな        山口耕堂

 

 

 

                     

 

 

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12月 7日

2024-12-07 05:28:54 | Weblog

                        雪蛍・綿虫・雪虫・雪婆・大綿

 

 

 

         体調5mm前後で、全身綿で包まれたように見えるアブラムシです あの白いふわふわした物体は蝋(ロウ)

         つまりアブラです。北海道から四国、九州では見られ雪が降る降らないは関係ないようです

         晩秋から初冬にかけて、空中を青白く光りながら浮遊する。物に当たると付着します。

 

 

 

                

 

 

 

          雪蛍宝物殿を出でたれば          細見綾子

 

          掌にのせて綿虫吹けば抗へり        栗田やすし

 

          捕へんとすれば高みへ雪蛍         河原地英武

 

          綿虫の手より逃れて母在らず        国枝隆生

 

          身じろがぬ牛の鼻先雪螢          小田二三枝

 

          雪虫や目鼻潰えし道祖神          武藤光晴

 

 

 

                

 

 

 

          雪虫のとべるに逢へり古き門        加藤楸邨

 

          この指にとまれ夕日も綿虫も        大石 悦子

 

          雪婆ばんばと呼ばれ漂へり         長谷川双魚

 

          停車場の大綿まへる暮情かな        中村草田男

 

          綿虫の双手ひらけばすでになし       石田あき子

 

          身を飾る綿が重荷の雪蛍          岩崎憲二

 

 

 

                 

 

 

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12月 6日

2024-12-06 05:05:14 | Weblog

                           冬芽・冬木の芽・冬萌

 

 

 

 

                     

 

 

 

          冬木の芽震はせ雀とび移る         河原地英武

 

          梧桐の冬芽まつかや被爆の地        都合ナルミ

 

          飴色の栃の冬芽の尖りたり         矢野愛乃

 

          冬芽立つ古窯の裾の幣辛夷         長江克江

 

          飛鳥寺沙羅の冬芽のこぞり立つ       上田博子

 

          もくれんの冬芽黄金の綿帽子        ころころ

 

 

 

                

 

 

 

          冬萌や五尺の溝はもう跳べぬ        秋元不死男

 

          メタセコイアは白堊紀の夢冬芽もて     加藤秋邨

 

          リラ冬芽ねがはくは一房の花を       山口青邨

 

          桜冬芽空を押さへて太りだす        林 翔

 

          冬萌えに垂れてとどかず縄梯子       鷹羽狩行

 

          冬木の芽ことば育ててゐるごとし      片山由美子

 

 

 

                     

 

 

 

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12月 5日

2024-12-05 05:13:44 | Weblog

                              山眠る

 

 

 

             中国の「臥遊録」の「冬山惨淡として眠るが如し」から》冬の山の静まり返ったようす

             秋は「山粧ふ」、春は「山笑ふ」と、擬人法の典型のような季語であり、夏は「山滴る」でですが、

             これは季語としないという意見もあって、歳時記によっては掲載の無いものも有るようです

 

 

 

                

 

 

 

          うつすらと裾見せて富士眠りをり      栗田やすし

 

          ふところに火止めの窯や山眠る       矢野孝子

 

          山眠る火気厳禁の札立てて         斉藤真人

 

          殉教の谷の十戸や山眠る          山下智子

 

          崩落のあとまざまざと山眠る        平松公代

 

          噴きあがる湯の轟きや山眠る        ころころ

 

 

 

 

                

 

 

 

          肘張りて眠れる山の比叡かな        岸風三楼

 

          火の山や噴煙あげしまま眠り        水原 春郎

 

          土いまだ木の葉のかたち山眠る       正木ゆう子

 

          山眠り石で囲ひし楮畑           大峯あきら

 

          いくたびも虹を吐いては山眠る       高野ムツオ

 

          薄目せる山も混りて山眠る         能村登四郎

 

 

 

                

 

 

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12月 4日

2024-12-04 06:29:02 | Weblog

                           侘助・侘助椿

 

 

             一般的には侘助は椿のうち花弁の数が少ない小型の花を付けて、あまり平開しない種類を言います

             侘助の名の由来は諸説ありますが江戸時代の茶人・千利休の下男(使用人)の庭男の名前「侘助」

             にちなむという説。彼はこの花を丹精こめて育てていた庭師で、千利休はこの花を茶室に飾って

             愛でたと言われています。

 

 

 

                     

 

 

 

          侘助や妻着て一日富士眺む         栗田やすし

 

          青竹に侘助一枝禅の寺           村瀬さち子

 

          侘助や表札いまも夫の名          梅田 葵

 

          侘助やひび割れ深き楽茶碗         足立サキ子

 

          侘助の落ち重なれり休め窯         豊田紀久子

 

          侘助や古民家茶屋に刃痕          ころころ

 

 

                

 

 

 

          佗助を挿すとて据ゑぬ蕪徳利        水原秋桜子

         

          侘助に風立つゆふべもの食べに       鍵和田釉子

 

          佗助をもたらし活けて通ひ妻        石田波郷

 

          すぐくらくなる佗助の日暮かな       草間時彦

 

          侘助や褪せし葉書の男文字         谷口桂子

 

          佗助や障子の内の話し声          高濱虚子

 

 

 

                     

 

 

 

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12月 3日

2024-12-03 05:06:37 | Weblog

                          枯菊・冬菊・寒菊

 

 

 

 

                

 

 

 

          思ひしみ易し枯菊色残る          細見綾子

 

          くくられて冬菊の香の衰ふる        栗田やすし

 

          冬菊の日を溜めゐたる白さかな       梅田 葵

 

          冬菊や納屋に鵜籠と薪積まる        坂本操子

 

          枯菊のつよき香放ち折られけり       近藤文子

 

          冬菊のひかりを供花に束ねけり       櫻井節子

 

 

 

                

 

 

 

 

          冬菊のまとふはおのがひかりのみ      水原秋櫻子

 

          ぼろぼろの身を枯菊の見ゆる辺に      福永耕二

 

          君病めば机上の菊に冬の影         林 翔

 

          いつしかに悔も残らず菊枯れし       中村汀女

 

          冬菊のさび朱のよけれ童女ゐて       森 澄雄

 

          枯菊になほ大輪の誇あり          下村梅子

 

 

 

                

 

 

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12月 2日

2024-12-02 05:17:27 | Weblog

                           千両(仙蓼・草珊瑚

 

 

 

 

                     

 

 

 

 

          石棺に鎌の研ぎ跡黄千両          国枝隆生

 

          梁に吊る嫁入り駕籠や実千両        松本恵子

 

          実千両横木の太き冠木門          丸山節子

 

          神鶏の長き尾を曳く実千両         小田二三枝

 

          草珊瑚島の土俵の潮じめり         角田勝代

 

          実千両ほめて一鉢もらひ受く        田中さくら

 

 

 

 

                    

 

 

 

 

          いくたび病みいくたび癒えき実千両     石田波郷

 

          活け終えし松の根締は実千両        山崎道子

 

          一休の住ぜし寺の黄千両          森 澄雄

 

          千両や馬頭観音紅ほのか          市江律子

 

          黄千両藁の節ほど日がのびて        藤村克明

 

          婚の荷の届きし部屋の実千両        木村ヤスエ

 

 

 

 

                     

 

 

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