踊る小児科医のblog

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「今の親の世代が一番喫煙率が高いと聞いて驚きました」=小学生の疑問に答える (2)

2015年01月07日 | 禁煙・防煙
 少し説明が足りなかったかもしれませんが、男性に関しては、今の高齢者が若かった頃の方がずっと喫煙率が高く、男性の約8割が吸っていました。この世代も年齢を重ねるにつれ禁煙する人が増えたのに加えて、喫煙者の方が早く亡くなる人が多かったために、現在は高齢者ほど喫煙率が低くなっています。また、若い人は喫煙防止教育の効果や、「タバコはダサい」と感じる人が増えてきたために、喫煙率が急降下しています。結果的に、皆さんのお父さんの世代(30歳代~40歳代)が最も喫煙率が高くなっています。特に青森県の父親世代は約55%もの人がタバコを吸っているので大きな問題です。(2011年の調査)

 女性の場合は話が別です。かつては高齢者の方が高めで、若い女性はあまり吸わなかったのですが、若い女性をターゲットにしたタバコ会社のマーケティング戦略が「成功」して、2000年ごろまで未成年や20歳代の喫煙率が上昇し続けました。その世代が皆さんのお母さんの世代(30歳代~40歳代)にあたります。その下の世代は男性と同じように喫煙率が下がっているので、やはり一番喫煙率が高い年代となり、特に青森県のお母さん世代は全国平均(約10%)の2.5倍も高い喫煙率なのです

 タバコによる死亡者数は、男性はすでにピークを越えてきましたが、女性は今後もまだ増えていくことが予想されています。受動喫煙を防ぐためにも、皆さんの親の世代の喫煙率を下げることが必要なのです。

「タバコをやめてほしいのにやめてくれない。どうしたらいいでしょうか?」=小学生の疑問に答える (1)

2015年01月06日 | 禁煙・防煙
 これが一番難しい問題です。感想文では、多くの保護者の方が喫煙防止教室をきっかけに禁煙すると約束してくれたようで、素晴らしい成果だと思いました。しかし、皆さんがテストで全員100点をとることができないのと同じように、1回の授業で全員が禁煙してくれるわけではないというのが現実なのです。

 タバコを吸わない人からみたら、禁煙しようとして失敗するならわかるけど、禁煙しようという気持ちすら持てないというのは理解しがたいことかもしれませんが、それがニコチン依存症という病気の症状なのです。

 「昨日まで吸ってきて大丈夫だったから、明日も吸っても大丈夫だろう」とか「半分の人がタバコによる病気で死ぬといっても、自分は残りの半分の方に入るだろう」などといった根拠のない思いにとらわれてしまうのが、薬物依存症に共通してみられる「否認」という特徴なのです。

 ただし、口では「禁煙しない」と言っていても、内心では「そろそろ禁煙しないと」とか、「本当は禁煙したいけど自分にはできそうにない」などと感じている人が多いのです

 授業で一番最後に話したように、子ども自身の口で「お父さん、お母さんの健康が心配だからタバコをやめてほしい」ということを直接伝えることが一番のはずです。一度で聞いてくれない時には、何度でも聞いてくれるまで繰り返しましょう。お父さん、お母さんに早死にしてほしくないなら。

 その際には、授業でお伝えしたように、1)ストレス解消はウソで、実はタバコを吸うとストレスが増えることと、2)ニコチン依存症という病気なので簡単に禁煙できないのが普通であり、禁煙外来で薬を使うと楽に禁煙できるようになっているという大切な2つのポイントをもう一度伝えてみてください。

タバコについての小学生の疑問・質問に答える 喫煙防止教室の感想文から

2015年01月06日 | 禁煙・防煙
 喫煙防止教室の感想文で、様々な疑問や質問が寄せられました。その多くは、授業では触れることができなかったけれども、「そのような疑問を感じて調べたり考えたりしてほしい」と想定していたような内容でした。ここでは字数の関係でなるべく簡潔にお答えしたいと思いますが、重要なポイントを伝えるために小学生には少し難しい内容も含まれているかもしれません。お父さんお母さんや先生と一緒に読んで考えてみてください。(習っていない漢字もたくさん使われています。)

 なお、この回答は今後チェックして修正していき、来年以降も使えるQ&A集にしていきたいと思いますが、今回は十分に推敲できていない点が多く読みにくいかもしれません。同じ内容はブログでも更新していく予定です。

 予定している疑問・質問は以下の通りです。順次掲載していく予定です。

「タバコをやめてほしいのにやめてくれない。どうしたらいいでしょうか?」
「今の親の世代が一番喫煙率が高いと聞いて驚きました」
「タバコの本数を減らせば害は減りますか?」
「子どもがタバコを吸っても許されるのですか? 脳に害があるのではないでしょうか?」
「なぜタバコを売るのですか? タバコを作っても違法にならないのですか?」
「タバコはなぜ生まれたのですか? 国とタバコ会社の関係は?」
「タバコの種類によって害に違いはありますか? 有害物質のないタバコは? 電子タバコは?」
「ニコチンを他の目的に活用できないか?」
「友達に何と言って吸わせないようにしたらいいでしょうか?」
「禁煙したら健康への影響は減りますか?」
「健診で何も異常がなかったら吸っていても大丈夫でしょうか?」
「タバコを吸うと10年も寿命を縮まることに驚きました」
「なぜ完全禁煙ではなく分煙なのか? なぜ日本では外国と同じような対策がなされていないのでしょうか?」
「タバコはストレス解消になるとしても吸わないようにしたい」

タバコフリー世代は着実に育っている(2) 2つの小学校6年生の喫煙防止教室感想文から

2014年12月18日 | 禁煙・防煙
感想文 喫煙防止教室 S小学校6年 (抜粋) …ちょっと多い

(※印については、この後のentryでお答えする予定です…が、本質を突いた質問がいくつもあり、少し時間がかかるかと思います。それだけの疑問を持つような内容を教えられた成果と考えております。)

お父さんは毎日タバコを吸っているので、もしかしたら肺がんになっているかもしれないので不安になりました。(中略)お父さんにこれらの事を言っても禁煙しないのですが、どうすればよいでしょうか。 ※

大人にとっては、イライラするときに、タバコをすえば、ストレス解しょうするかもしれないけど、寿命が10年もちぢむから、大人になっても吸いたくありません。 ※

タバコは、自分も他の人もきずつける、世界にない方がいいものだと、タバコを吸っても何もメリットはないと、ぼくは思いました。

首の下にあなをあけてまでたばこをすいたいのかがよくわかんないです。

ぼくは母さんがタバコをまえからすっていて、タバコのことはなんとも思っていませんでした。だけどタバコに害があって「タバコは人殺しだ」ときいたとき、母さんにタバコをやめるようにしたいです。

ぼくは、タバコというこわい「ま薬」の話を聞いて、ぜったいにすいたくないと思いました。

講演会で思ったことは、タバコは、自分で自分を殺すことだということです。

私たちが危険なこともあるし、(中略)タバコを吸うのはやめてほしいです。そこで、やめてもらうには何と言えばいいのですか? …タバコは、(中略)作ってもいほう(違法)にはならないのですか? ※

私はタバコを絶対に吸いません。タバコをすっている人がいたら、やめるようにすすめます。それで、1人でも多くの人をすくえるならその努力をし、がんばります。

ふたごの写真を見た時、タバコをすうと、顔がたるんだりして、こわい顔になっていたので、タバコをなくしてほしいと思いました。

資料のグラフを見たときに、タバコを吸って死亡する人が多くてびっくりしました。タバコが無ければ、こんなに多くの人が亡くならないですんだとしたら、とても悲しいことです。(中略)私は、大人になっても吸わないし、周りの人も吸わないようにして「タバコの無い世界」をつくっていきたいです。

受動喫煙も私が思っているのとは大きく上回るぐらい、体に害があることを知って、びっくりしました。(中略)日本は外国より喫煙防止が広がっていないことがわかりました。

私は、世界中では子どもを対しょうにタバコを売っていたり、同い年くらいの子がタバコを吸っているときいて、とてもおどろきました。

一番タバコを吸っている時代が私のお父さんお母さんのときだったということにびっくりしました。 ※

私のお父さんもタバコを吸っています。じゅみょうが短くなってほしくないからタバコをやめさせたいなと思いました。 ※

私は久芳先生の話を聞いて、世界でタバコを飲む人が1人もいなくなるような世界をつくりたいなぁと思いました。理由は、私の将来の夢が世界で活やくする人だからです。世界で活やくできるように(なれば)、タバコを吸っている人たちにタバコのキケンさを教え、新しい世界を作っていきたいと思いました。

家族はおじいちゃん以外全員すうので、おばあちゃんとお母さんに注意したいと思います。

おじいちゃんが吸っていました。(中略)長生きしてもらうために、タバコをすわないようにいいたいと思います。といってもタバコをやめられないと思うので病院にいかせたいと思います。

ぼくのおばあちゃんはタバコをやめられなくて、とうとう病院に入院して、そして、どんどんあっかして、しゃべれなくなって、そして、死んでしまいました。(中略)なので、ぼくは必ずタバコを吸わないことを決めました。

今日の講演会は、お父さんに聞かせてあげたいです。(中略)お父さんは、後でやめると言っていたけど、やめる気配がありません。

僕はタバコはかっこいいと思ってすおうと思ってたけど、久芳先生の話を聞いてタバコをすうきがうせました。

ぼくの家族はすっておりませんが、もしかしたらしょうらい友達とすってしまうかもしれません。どうしたら、(友達に)いってあげるといいでしょうか。 ※

タバコは本当にだめで売らないほうがいいと思うくらいです。

有害物質のないたばこが出ればなぁと思いました。(←父が吸っていてやめてくれないので) ※

日本は、タバコとくにで、てをくんでいるというのは本当でしょうか。タバコ会社は、なぜ、タバコを売るのでしょうか。ニコチンを他のものに活用できないのか。 ※

一つ疑問があります。世界の他の国では、公共のレストランなどでは完全禁煙なのに、日本はどうして分煙なのか、ということです。 ※

日本も他の国を見習って、TVのタバコのCMを、さわやかなイメージから、害があることを伝えるためのものにしていく必要があると思いました。

成年になる前でも後でも、絶対に吸わない。タバコから出るけむりからはにげる。これを守りたいと思いました。

これほど危険で、外国でも対策をしているのに、なぜ日本ではあまり対策をされていないのかと思います。 ※

小学生や、小さい子どもが、タバコを吸って許されることなのでしょうか。脳に害があるのではないでしょうか。家計にもつらいのではないですか。 ※

受動喫煙は放射線被曝よりも危険だという事が分かりました。正直ビックリしました。

こんなにも危険なタバコはナゼ生まれたのか不思議でなりません。 ※

なぜこの世にタバコがはんばい(販売)されたのでしょうか。この世にタバコがなかったら、みんなが少しでも健康へ近づけるのになぁと思ったから書いてみました。 ※

世界中の人を死なせる道具で麻薬と同じようなものじゃないかと考えました。

ところでCMの電気のタバコは、ふつうのタバコと同じなんですか? (註:電子タバコの話は授業ではしてないので、何か電子タバコのCMがTVで流れているのかもしれません。詳細不明) ※

タバコとは現金をはらって、他の人も巻き込んで自殺するのと同じだ、と思いました。

ぼくの父は数年前、タバコを吸っていました。禁煙したけど、肺の方は大じょうぶなのでしょうか。 ※

タバコはこんなに悪いと分かっているのに、国が規制しないのはなぜかと思いました。 ※

タバコの種類はたくさんあるけど、種類によって、害の大きさとかちがうくなるんですか。 ※

私の母は(中略:タバコを吸っていて)健康だし、健康診断でも、なにも悪いところはありません。健康だと、ずっとタバコを吸っても、母は大丈夫なのでしょうか。 ※

両親ともタバコを吸ってます。でも私は何も違和感を感じませんでした。(中略:授業の内容)を伝えて、「タバコをやめて!」と強くいいましたが、母は「うん、あとでね~」と言ってます。どうすればいいですか? ※

私のお父さんは8月からタバコをやめました。最初は吸いたがってたけど今は普通です。危ないものなのでやめてくれてお父さん自身も私たちも助かりました。

ぼくは、小さいときはタバコというものがこの世にあるということを知りませんでした。しかし、5年生のときにある理由からタバコの存在に気付きました。その時から、タバコのけむりのにおいが少しでもすると、体がいやがってあまり呼吸をしないようになって、息苦しくなります。

あと、タバコもそうだけど、大人になったら、できるだけ酒も飲まないようにしたいです。 (←お酒の話は授業ではしてませんが ^^;)

周りの知っている人が多くのタバコを吸っていたら、少しひかえさせるなど、小さな努力をつづけて、喫煙者をゼロ!にしたいです。

車の中で家族が吸っている事があります。ほぼ吸っている人と同じ状態です。(中略)家族全員で禁煙したいと思いました。

病気の人が多くなるんだったら、タバコをこの世からなくするは無理なのですか。 ※

親がほぼ毎日吸っているので、本当にストレス解消になってるのかなと思ったら、ストレスを逆に増加させていることを初めて知りました。

小さい時から吸っていると大人になってもやめられなくなることを知りびっくりしました。

親に言っても「別にいい」というふうな答えが返ってきたので、できるだけ早めにやめてもらいたいなと思いました。

法律だからタバコを吸わない、ではなく、タバコは自分も周りもきずつける、悪いものでしかないというふうに考え方が変わりました。

タバコを作った人はなに1つ健康にいいことがないのに(どうして)作ったのかなと思いました。 ※

タバコフリー世代は着実に育っている(1) 2つの小学校6年生の喫煙防止教室感想文から

2014年12月17日 | 禁煙・防煙
「喫煙防止教室でのお話を聞いて」 K小学校6年生 (抜粋)

(※印については、この後のentryでお答えする予定です)

タバコはニコチン依存症という病気になるということがすごく驚きました。

このことを家の人に言ったら「人にもめいわくがかかるから絶対にタバコを吸うなよ」と言われました。

ぼくは、おとなになったらタバコをすうつもりでした。けれど(中略)タバコは人にがいをおよぼすものだとしったから大人になってもすわないことにしました。

前まではタバコはきまりできまっているからすってはいけないと思っていたけど、今回のでどうしてかわかりました。

もし喫煙防止教室をやらなかったら大人になったらタバコを吸っていたかもしれません。

私は、大人になっても、健康で長生きしたいし、今も、学力をあげたいので、体に害をあたえるタバコは、絶対に吸いません。

タバコのケースなどに呼びかける言葉などを実際にかいたりしているということを知らなかったのでおどろきました。

家族に言ってみたら、本数を減らすということを言ってくれたのでうれしかったです。 ※

タバコには、わたしたちにとって何も良いことがないということも分かりました。このような、たくさん学んだことを、大人になってもわすれないで、タバコを吸わないようにしたいです。

家の人にも話すと、家の人も「知らなかった!」とおどろいてわたしの話を聞いてくれました。

このタバコのウソもほかのことにもつながっていると思うので気をつけたいと思います。

家族でお父さんがタバコを吸っているので、その話をしたら、「そろそろ禁煙しようかな」といってくれて、とてもうれしかったです。

私はタバコを吸っている人を見ても何とも思わなかったけど、喫煙防止教室をして、タバコを吸っている人におしえてあげたくなりました。

私はタバコの値段を高くすればやめる人が増えるのではないかと思います。

これからは、いろんな人たちに、タバコにはものすごい毒があることを広めていきたいです。

兄弟も「タバコはすわないようにしよう」と言ってました。お母さんにもはなして、「タバコはすう量を減らそうかな」と言ってました。 ※

大人になってからも絶対タバコを吸わないと決めました。誰かにさそわれても、絶対ことわります。

家族ではなし合ってみて、家族の人も資料やはなした中から、はじめて知ったのが多かったといってたし、タバコを吸わないようにするともいっていたので、はなして良かったです。

印象に残ったのは、海外のタバコの害を表すビデオです。タバコがどれだけきけんなのかよくわかりました。

家族で話したとき、みんなタバコには反対でした。わたしもそうです。お母さんは、今禁煙中で、これからもつづけてほしいです。

家で勉強したことを話したら、みんなすごくびっくりして、「タバコは絶対やらない」と言ってくれたのでよかったです。いつか日本もタバコを高くする、または、販売中止すればいいと思います。

家族に肺の写真を見せたら、お父さんがタバコをやめると言ってくれました。そして、家族全員で話し合ってタバコは絶対に吸わないと約束しました。

わたしのお父さんはタバコを吸っているので、帰ってからお父さんにくわしく話しました。すると「わかった、やめるようにがんばるよ」といってくれました。

(その2 S小学校編に続く)

消費税よりもタバコ税大幅増税 1箱千円で消費税2%分の増収 喫煙率劇的低下

2014年12月12日 | 禁煙・防煙
消費税を3%上げて経済も財政も惨憺たる状況のようだが、タバコ税増税で一箱千円にすれば、3兆円~6兆円増収になる(25%~50%が禁煙:300円→千円のシミュレーション:厚労省研究班)。


消費税1%=2兆円と言われているが(実際にはそんなに増収にならない)、4兆円程度なら数年間はまかなえて、その分を医療費やその他の社会保障費、葉タバコ農家転作補助などに回すこともできる。

当然、このグラフのような中学生でもわかる一次方程式は財務省も知っていながら、「増税で税収が減る」とウソをついている。
増税絶対反対の青森3区・大島理森前議員も同罪。
世界標準の一箱千円にすればどれだけの命が助かるか、知っていての行状。
(私は直接・間接に訴えたが無駄だった)
行政・政治の不作為だけでは済まされない。


タバコは10年寿命を縮める=残りの人生が6分の5になり、1日に4時間も失う

2014年12月01日 | 禁煙・防煙
このグラフは歴史的に最も重要なデータで、小学生の喫煙防止授業でも紹介してます。
英国男性医師が自分たちの寿命を調査していったら、1960年代には既にはっきりとした差が出てきた。
これを見て、欧米の医師はタバコを吸わなくなった。(まだゼロではないが)
日本人の医師はその後も延々と吸い続けた。21世紀になってやっと減り始めた。。

10年も寿命を縮めるというのはとんでもない差で、非喫煙者の80歳と喫煙者の70歳の累積死亡率がほぼ同じになっている。(非喫煙者の90歳と喫煙者の80歳も同様)

これを「20歳で吸い始めて、本当なら80歳まで生きられたはずの人が70歳で死亡したとしたら?」という算数の問題にしてみると、

残りの人生が50/60=5/6になる。
1日24時間が20時間になり、夜8時で終わる。
1年12ヶ月が10ヶ月になり、10月末で終わる。
毎日4時間、毎年2ヶ月も失い続ける。
それが10年という年月。

運が良くて6/7としても、20時34分、11月9日で大差ない。
さらに運が良くて90歳まで生きられる人は4%しかいないが、それぞれ21時、11月15日になるだけ。

喫煙者はタバコを吸うことは「個人の自由」だと言う。
しかし、それはニコチン依存症という病気です。

「喫煙はそれ自体が病気(ニコチン依存症+喫煙関連疾患)で、喫煙者は積極的治療を要する患者であり、禁煙は最も確実かつ短期間に大量の疾病や死亡を劇的に減らすことのできる方法である」

「タバコを吸う自由」ではなく「タバコから自由になる(タバコフリー)」ことがポイント。

タバコをめぐる様々な「神話」は全部ウソ。
ストレス解消神話も、タバコ税で社会に貢献も、喫煙率減少なのに肺癌増加も、なにもかもタバコ会社が意図的に流布したウソだらけ。
タバコはウソのかたまり。

12/6『タバコフリーで最短命県返上を 受動喫煙ゼロと喫煙率低下で健康寿命アップ』無煙の日シンポ

2014年12月01日 | 禁煙・防煙
第8回「無煙のまちづくりの日」記念シンポジウム
『タバコフリーで最短命県返上を - 2 
 受動喫煙ゼロと喫煙率低下で健康寿命アップ』

◆日 時 2014年12月6日(土)17:00~19:30
◆会 場 青森市文化観光交流施設「ねぶたの家 ワ・ラッセ」(青森駅前)学習交流室1
◆参 加 無 料

特別講演
17:00 「受動喫煙防止条例にむけた山形県での取り組みの現状」  
     山形県立新庄病院 大竹修一先生 (座長 久芳康朗氏)

シンポジウム
「青森県で受動喫煙ゼロを実現するために」(座長 山崎照光氏)
18:00 「青森県内40市町村における喫煙対策の現状」
     ナルミ医院 鳴海 晃 氏(懇談会代表世話人)
18:15 「青森県の現状と取組」
     青森県健康福祉部保険医療政策推進監 大西基喜氏
18:30 「飲食店の全面禁煙化を加速するために 禁煙店ネットワークの提案」
     くば小児科クリニック 久芳康朗氏(懇談会代表世話人)
18:45 総合討論 (座長 山崎照光氏・久芳康朗氏)
19:15 閉会
19:30 懇親会 同会場にて 実費2000円程度(当日受付可)

○ 無煙のまちづくりの日とは
子どもたちをタバコの害から守るため、全国初の屋外タバコ自販機撤去条例を制定し、県内で最も早くから小中学校の敷地内禁煙や喫煙防止教育を実施するなど、世界に誇れる取り組みを続けてきた深浦町の故・平沢敬義町長の業績を称え、その遺志を継いで無煙社会をつくっていくために、命日である12月8日を『無煙のまちづくりの日』に制定しました。青森県タバコ問題懇談会では、毎年『無煙のまちづくりの日』にあわせて、県内のタバコ規制対策状況の発表などの活動を行っていきます。

主催:青森県タバコ問題懇談会
青森市松原1-2-12 青森県保険医協会内
電話 017-722-5483 FAX 774-1326  

ちょっと待て!あなたの家庭、職場、レストランは福島原発事故現場より危険

2014年10月31日 | 禁煙・防煙
福島原発の事故現場では、3年半経った現在、厳しい管理により年間20mSvも被曝する作業員はほとんどいないし、超えそうな時には早めに他の原発や除染作業などに転じているようです。

ですから、最大でも5年で100mSvは超えない。更に作業を続ければリスクは累積されると考えますが、5年で100mSvをここでは計算の基準としておきましょう。
100mSvでがん死のリスクが0.5%(10万人あたり500人)増加するとされています。
その他のリスクについてはここでは考慮されていませんが、主題ではないので省きます。

一方、屋内(自宅・職場・飲食店)の喫煙でPM2.5は数十~数百μg/m3上昇する。
PM2.5の死亡リスクは10μg/m3あたり、急性(24時間)で1%、慢性(年間)だと6%も上昇します。



喫煙者のいる家庭ではPM2.5が平均で約30μg/m3高いことが知られています。
単純計算で6×3=18%、実際の各国における調査結果でも10~20%も死亡リスクが高くなっていることがわかっています。

原発の事故現場で100mSvも被曝しても0.5%(10万人あたり500人)増加なのに、家庭における受動喫煙で10~20%(10万人あたり1万~2万人)も高くなる。
あなたの家庭、職場、飲食店は、原発の20~40倍も危険な「放射線管理区域」なのです。
(実際にタバコの煙にはポロニウムという放射性物質が含まれています)



「青森県のがん発生率は全国平均を下回る」記事への疑問/県平均死亡率が低すぎる/一次予防の重要性は?

2014年10月31日 | 禁煙・防煙
謹啓 デーリー東北10月29日の「がん死亡率全国ワーストの青森 発症率 男女とも全国平均下回る 地域でばらつき 早期受診を」という記事を大変興味深く拝読しました。
 ただし、デーリー東北の記事は文章も表もわかりにくく、一読して理解できなかったため、自分で表の数値を元にグラフにしてみたところ、一点理解できない点が出てきましたのでご確認下さいますようお願い申しあげます。
(グラフおよびこの質問文はブログに掲載しておきました)

がん発生率


がん死亡率


1)がん発生率、死亡率それぞれ別々にグラフにしてみたところ、
 がん発生率の方は青森県(県平均)の値は男女とも高い地域と低い地域の中間的な値となっているのですが、がん死亡率の方をみると、男性の青森県(県平均)の値は県内の全ての地域の死亡率よりも低く、女性も上十三以外の全地域の値よりも低くなっていることに気づきました。
 通常は、県平均の値は「発生率」のように高いところと低いところの中間的な値になるはずです(人口比があるにしても)。「死亡率」のように県平均の値がほぼ全ての地域よりも低くなるという計算結果が得られることは考えにくいのですが、これは単純な誤植でしょうか。それとも計算上の何らかのファクターによりこのような値が出てきたということでしょうか。ご教示ください。

2)デーリー東北の記事を読むと、がんの発生率は全国よりも低く、死亡率だけがワーストなのだから、がんの一次予防に関しては全国よりも力を入れる必要がなく、二次予防(早期発見)にだけ重点をおいて進めればいいのだと読み取れます。一方、東奥日報の記事を読むと「本県の喫煙率の高さと肺がんの死亡率が高いことは大きく関連している」と、明らかに喫煙等の一次予防の重要性を強調しています。このデーリー東北の記事は講師の松坂先生の意図を誤って伝えているのではないかと危惧しており、このままでは県民に「一次予防は重要ではない」という認識を植えつけることになるのではないかと懸念しております。

以上2点について、ご確認の上お返事をいただければ幸いです。大変不躾ではありますが、情報を広く共有するためにお返事をネット上に掲載させていただきたくお願い申しあげます。

敬具

喫煙率ゼロ達成年は2032-36年に後退 20代男女の急降下カーブでJTは観念 JT調査解析 (2)

2014年08月18日 | 禁煙・防煙
JT調査の喫煙率データ解析の第2弾。(書いていたのですがアップするのが遅くなりました)
前回は単純に前年からの減少率で喫煙者絶滅年を予測しましたが、同じJT調査のデータが過去から積み重ねられているので、最新データを追加してみました。


X軸が13年までになってますが最後のデータが2014年です。
男女合計は過去の分もあるはずですが探して入力できてません。(必須ではない)

これをみて、男性は直線的に低下してきているけど、女性はほとんど変わらない、という表現がこれまでの定番でした。しかし、


男性を年代別でみると、2000年代になって20代(水色)が急降下してきて60歳以上に迫る勢い。逆に、30-50代が滞留している。(水色の<青>印は青森県の父親の喫煙率)


女性の方はもっと明らか。2000年頃から20代が急降下、それに伴って30代も2004年頃から同じ傾きで低下。今や40代50代のオバさんが吸うものになってきている。(同じく<青>印は青森県の母親の喫煙率)

このグラフをみて、この商品を売っている会社の未来は明るいと言う人は一人もいないはず。


2012年までのグラフから、男性は2000年、女性は2005年を起点としてに喫煙率ゼロ年を予測していました。(既報)

男性 2031年
女性 2034年


今回の2014年までのデータを付け加えて計算してみると、

男性 2032年
女性 2036年
合計 2033年

2年経って、男性は1年、女性は2年先に延びてしまいました。
この2年間の間に、有効なタバコ規制政策というのは何一つ実施されていません。
このままの状況が続けば、更に延々と先に延びていってしまう可能性が示唆されました。


同じ方法で未成年の喫煙率ゼロは2020年、成人は2030年代前半と予測していたのですが、今回のデータでちょっと怪しくなっています。
しかし、政府の2022年で12%という目標は、このまま何もしないで自然に低下する速度よりずっと遅い「まやかし」であることには変わりません。

なお、こんな単純な予測法は学術的じゃないじゃないとか、起始年を男性2000年、女性2005年とするのは恣意的じゃないか、などといった批判はお受けしません。

起始年はグラフを読み取って「恣意的に設定」したものであり、予測方法は正確さを求めるためではなく、実際の規制政策を反映させるために誰でも理解して比べられるよう仮想的に引いたものだからです。

(富士山のように傾斜が緩くなることは容易に想像されますが、そうさせずに直線的に降下させる、あるいは傾斜を更に急にさせるための規制政策をとっていくことが肝要)

喫煙者が絶滅するのは15-16年後 JTも同時消滅 JT調査結果(2014)より推計

2014年08月08日 | 禁煙・防煙
JTが7月末に発表した喫煙率のデータについて、これまでのデータに追加して検討してあるのですが、その前に今回発表分のデータだけで簡単に計算してみました。(この後にもう1回、喫煙率ゼロ実現年の推計について書く予定です。)

なお「絶滅」という言葉に敏感に反応する人が一部にいるかもしれませんが、喫煙者がゼロになるというのは、1)喫煙者が禁煙する、2)禁煙せずに死亡する、3)新たな喫煙者がゼロになる、の3つの要因が重なって実現するものであり、「喫煙者はみんな死ね」などと主張しているわけではありません。

1)喫煙率 2014年 JT調査


男性 30.3% -1.9%
女性 9.8% -0.7%
合計 19.7% -1.2%

この1年間のペースで減り続けると仮定して計算すると、

男性 30.3÷1.9=15.9年
女性 9.8÷0.7=14.0年
合計 19.7÷1.2=16.4年

2)喫煙人口 2014年 JT調査


男性 1526万人 -97万人
女性 533万人 -39万人
合計 2059万人 -136万人

同じように計算すると、
男性 1526÷97=15.7年
女性 533÷39=13.7年
合計 2059÷136=15.1年

計算結果に差があるのは分母の人口の取り方の違いなどがあるためだと思いますが、その辺りはあまり気にしないで、結論として、

「およそ15~16年で喫煙者は絶滅する」

と、喫煙者が神と崇め奉るJT総本山がデータを示してきちんと預言しているのであります。
すなわち、JT教とは喫煙者が滅び、JTも滅び、全てが無に帰すという壮大な神話なのです。

(ただし、喫煙者がゼロになってもタバコ病による死者はその後30年以上にわたってゼロにはなりません)

ついでに、同じ調査から、

3)年代別喫煙者率


男性 40代が38.5%で最も高い 次が30代と50代(同率)
女性 40代が14.8%で最も高い 次が50代、30代の順

昨年までのデータの推移は後日示しますが、かつては男性が30代、女性は20代が最も高かった。
その年代が、そのまま上に持ち上がったと考えて良いだろう。

20代の喫煙率をみてみると、この年代が30歳になって急に吸い始めることは考えにくく、未成年喫煙率の減少傾向を考慮するとこの年代は更に下がり続ける。

結局、問題は現在の30代から40代の連中。
時期的には、バブル崩壊~失われた20年(1991~2011)に10代~20代だった世代。
いまの小中高生の親の中心的な世代。

更についでに、

4)地域別喫煙率


男性 東北 北海道
女性 北海道 東北

低いのは

男性 東海 近畿
女性 中国 四国

都道府県別喫煙率は国の調査で出ているが以前触れたのでここでは再掲しません。

喫煙者は男性で3.6倍もクモ膜下出血になりやすい 青森県の60-64歳男性の死亡率は長野県の1.5倍

2014年05月20日 | 禁煙・防煙
むつ市、62歳男性、クモ膜下出血で急逝。この方が喫煙者だったかどうかは知らないが、その可能性がある程度高いのではないか。(前任者はヘビースモーカーで執務中の来客応対で喫煙しているのがテレビで放映されていたが、同じく任期半ばで死去)

喫煙者は、非喫煙者に比べて、男性で3.6倍、女性で2.7倍もクモ膜下出血になりやすい
多目的コホート研究>男女別、喫煙と脳卒中病型別発症との関係について
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/267.html

Dr.中路が語る県民の健康 2012年3月26日
平均寿命長野と3.5歳差/若死に減らす対策必要
青森県の60-64歳男性の死亡率は長野県の1.5倍、45-54歳の男性は1.9倍
http://www.toonippo.co.jp/rensai/ren2012/kenmin-kenkou/20120326.html

2期目途中での早すぎる死に関係者は「信じられない」と一様に驚きを隠せず//三村知事「ただただ驚き」//知人の死に際しての言葉としてはそれが当然かと思うが、客観的に最短命県の現実として受け止めれば、必ずしも驚くべき事態とは言えない。(喫煙者か非喫煙者かに関わらず)

ともあれ、ご冥福をお祈りします。むつ市長の急逝によって中間貯蔵施設の稼働問題が動くとも思えないが、青森県の核のゴミ問題は、推進派、反対派を超えて具体的現実的な道を早急に議論し探っていかなくてはいけない。
宮下むつ市長死去/会合中倒れる 2014年5月20日
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2014/20140520005629.asp

「タバコ販売と命や健康は両立しない」JTとたばこ販売組合の意見書に青森県タバコ問題懇談会が徹底反論

2014年04月07日 | 禁煙・防煙
青森県タバコ問題懇談会では、JTとたばこ販売組合が弘前市に提出した「意見書」に対する全面的・徹底的な反論を掲載しました。

4)JT意見書への全面的反論:タバコ販売と命や健康は両立しない『全面禁煙の飲食店のみを選択します』 / PDF(2014.4.2)

3)弘前市に対するJTとたばこ販売組合の意見書をタバコ規制妨害工作の歴史的証拠として掲載 / PDF(2014.3.17)
(リンクはいずれも別ウインドウで開きます)

この「意見書」の全文は、世界中で連綿と続いてきたタバコ産業によるタバコ規制妨害工作の歴史的証拠として記録に残しておくために掲載しました。

その前に、青森県タバコ問題懇談会が弘前市長・議長に対して要請したタバコ対策基本条例の要請文と、その基礎となる資料は次のページおよびPDFファイルでご覧いただけます。分量が多くなりますが、可能なら先にご覧いただいた上で、この意見書と反論を続けて読んでいただければ理解が深まるはずです。

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1)弘前市長・議長にタバコ対策基本条例の制定を要望 / 要望書PDF(2014.2.19)

2)市町村長・議会に求める総合的タバコ規制政策「タバコ対策基本条例」の提案 / PDF(2014.1.25)

弘前市長選タバコ問題アンケート 葛西・千葉両氏より回答あり ただし葛西氏は個別設問に回答せず

2014年04月03日 | 禁煙・防煙
青森県タバコ問題懇談会では弘前市長選立候補予定者2名にタバコ問題アンケートを実施し、葛西・千葉両氏より回答をいただきました。結果はホームページおよびブログに掲載していますのでご覧下さい。(表題にあるように現職の葛西氏からは個別の設問には全て回答がなく、議会答弁の内容のみの返答でした)

→弘前市長選タバコ問題アンケート回答
→PDFファイルのダウンロード