踊る小児科医のblog

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市販の風邪薬「2歳未満はダメ」、米政府が勧告

2008年01月18日 | こども・小児科
#以下の報道ですが、日本で市販されている薬についてどういう扱いになるのか、現時点では不明です。以前の報道では、下記の「読売」の記事にあるように過剰投与による重篤な副作用ということだったかと思いますが、今回の勧告が常用量での問題なのか、原文にもあたってみましたが、記事にある以上の情報はありません。ただし、そこにも書かれているように、市販の“かぜ薬”は多種多様な成分が含まれていて安全性が確立していないだけでなく、「かぜ」を治したり期間を短縮したりする効果はないため、私たちは「気休め」程度にしか考えていません。成分のうちいくつかは、医療機関から処方されるものも含まれていますが、通常私たちは、必要な症状に応じて使用経験の蓄積された単一の成分の薬を追加し、必要なくなれば減らすという作業を行っています。その中でいずれかの成分に問題があるなら、その使用を控えたり中止したりする判断ができますが、今回の勧告では医療機関から処方される薬については除外扱いとなっていて、具体的にどの薬がどうなのかという段階まで解明されたわけではないようです。要するに、そのような不明の状況であるため、市販のかぜ薬全般について2歳未満への禁止勧告が出されたのだと思います。

FDA Releases Recommendations Regarding Use of Over-the-Counter Cough and Cold Products
http://www.fda.gov/bbs/topics/NEWS/2008/NEW01778.html

市販薬:乳幼児への投薬「避けて」 米FDA勧告
http://mainichi.jp/life/health/news/20080118dde041040063000c.html
市販の風邪薬「2歳未満はダメ」、米政府が勧告
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080118i404.htm

市販の風邪薬「2歳未満はダメ」、米政府が勧告
 【ワシントン=増満浩志】米食品医薬品局(FDA)は17日、医師の処方なしに買える風邪薬やせき止め薬は、2歳未満の乳幼児に使うべきでないとの勧告を発表した。
 小児を対象にした臨床試験が不十分で、効果も安全性も確認されていないことが理由。米国の風邪薬に含まれる抗ヒスタミン剤などの成分は、日本の小児用シロップ薬などにも共通している。
 米国では昨年、風邪薬などを過剰投与された乳児3人の死亡例が報告され、小児科医らがFDAに規制を要望。製薬会社が2歳未満向けの14製品を自主回収する一方、専門家らによる諮問委員会が「処方せんの不要な風邪薬やせき止め薬は、6歳未満に使うべきでない」と、FDAに具申していた。
(2008年1月18日12時18分 読売新聞)