踊る小児科医のblog

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低線量長期被曝は全部修復できるという「山下・市川説」はDNA損傷メカニズムから説明できない机上の空論

2012年08月17日 | 東日本大震災・原発事故
多くの人は、何となくおかしいような気がするけど、そうなのかな、たぶん専門家が言うからそうなんだろうと納得させられている(納得できないでいる)のではないかと思います。

簡単に言うと、1回の高線量で100の細胞が障害されると、99個は修復できても1個は完全に修復できずに将来がん化する可能性がある。一方、低線量長期被曝なら細胞が1個ずつ障害されても、一つずつ完全に修復できるので何年住み続けてもがんは増えないという理論。(仮説と言っても良いだろう)

こんなの証明されているのかと思い色々読んだけど、そんな説明はどこにも出て来ない。例えば1つの細胞レベルで「1/100の確率で修復エラーが起こる」と仮定すれば「100個×1/100」も「1個×100×1/100」も同じ1のはず。算数の問題。ペトカウ効果では低線量長期被曝の方が危険。

低線量長期被曝はほとんど全て修復できるという「山下・市川理論」が正しければ自然放射線の危険性は考える必要がないということになる。そんな荒唐無稽な話はない。だから1mSvという基準がある。1mSvですら「原発が爆発したんだからそれくらい我慢しろ」という理不尽は話。