2017年2月のデータを地域別に解析してみました。前回(2016年12月)、13市と三地域の郡部に分けて比較したのですが、更に大きな括りの「浜通り・中通り・会津」での比較も加えてみました。
2016年12月のデータについては表とマップにしてみました。(このページの一番下にリンクを掲載)
今回、郡山市で疑い例が1人増えて、全体の頻度が25.1人から25.5人/10万人に微増しましたが、全体の傾向は特に変化ありません。(本格③は甲状腺がん疑い・確定例は現時点でゼロです)
前回(201612)、三地域の郡部で「浜通り>中通り>会津」という差がみられたように見えた(表1)ことから、以下のように比較しなおしてみました。
表1 13市と三地域の郡部の比較(10万人あたり) 2017年2月現在
表2 三地域(市部・郡部合計)の比較(10万人あたり) 2017年2月現在
まず、市部と郡部を合わせて、三地域で比較してみたところ、「中通り>浜通り>会津」という順になりました。(表2)
また、本格検査②において、三地域における市部・郡部・全体の検出率(10万人あたりの「疑い+確定」患者の検出数)を比較してみたところ、
浜通り郡部>中通り市部>県平均>浜通り市部>…
という傾向があるように見えました。(表3)
表3 本格調査②における三地域の市部・郡部・全体の比較(10万人あたり) 2017年2月現在
これらは、いずれも現時点で意味がある傾向なのか判断はつきません。統計学的な解析をする必要もないと思います。今後、何らかの傾向や証拠が得られるかどうかは、(何度も書いているように)三巡目の数字の出方によるだろうと考えています。
<この作業に意味があるのかどうか、三地域の市町村の分布を地図で見直してみたところ、会津は二市が盆地にあり、その周辺に広大な郡部がある。浜通りは北(相馬・南相馬)と南(いわき)に市があり、その間の郡部が汚染の高い地域。中通りは南北に市が連なり、その間や東西に小さな町村がある。地形や汚染状況を考えると、市部・郡部・全体と分けて比較する意味はありそうだ。三巡目でも同じ作業をすることにする。>
いずれにせよ、県民健康調査の中間報告における主張(※)は根拠を持たないことが証明されています。
(※ 増えたという証拠が確定したという意味ではなく、「増加の可能性を否定できない」としつつも「実質的に否定」した報告書の「断定」が否定されたという意味です。)
根拠
1)先行調査→本格調査での増加(前述)
2)本格調査で地域差が否定できない
福島県の甲状腺がん(201612)13市と3地域郡部別比較(暫定版)「地域差無し」とは言えない
2016年12月31日
http://blog.goo.ne.jp/kuba_clinic/e/c552065a58e08d9f24e5b199bc6bb170
福島県の甲状腺がんマップ(201612)市部・3地域郡部別比較
2017年01月02日
http://blog.goo.ne.jp/kuba_clinic/e/43fd6517922074893479feda55451274
2016年12月のデータについては表とマップにしてみました。(このページの一番下にリンクを掲載)
今回、郡山市で疑い例が1人増えて、全体の頻度が25.1人から25.5人/10万人に微増しましたが、全体の傾向は特に変化ありません。(本格③は甲状腺がん疑い・確定例は現時点でゼロです)
前回(201612)、三地域の郡部で「浜通り>中通り>会津」という差がみられたように見えた(表1)ことから、以下のように比較しなおしてみました。
表1 13市と三地域の郡部の比較(10万人あたり) 2017年2月現在
表2 三地域(市部・郡部合計)の比較(10万人あたり) 2017年2月現在
まず、市部と郡部を合わせて、三地域で比較してみたところ、「中通り>浜通り>会津」という順になりました。(表2)
また、本格検査②において、三地域における市部・郡部・全体の検出率(10万人あたりの「疑い+確定」患者の検出数)を比較してみたところ、
浜通り郡部>中通り市部>県平均>浜通り市部>…
という傾向があるように見えました。(表3)
表3 本格調査②における三地域の市部・郡部・全体の比較(10万人あたり) 2017年2月現在
これらは、いずれも現時点で意味がある傾向なのか判断はつきません。統計学的な解析をする必要もないと思います。今後、何らかの傾向や証拠が得られるかどうかは、(何度も書いているように)三巡目の数字の出方によるだろうと考えています。
<この作業に意味があるのかどうか、三地域の市町村の分布を地図で見直してみたところ、会津は二市が盆地にあり、その周辺に広大な郡部がある。浜通りは北(相馬・南相馬)と南(いわき)に市があり、その間の郡部が汚染の高い地域。中通りは南北に市が連なり、その間や東西に小さな町村がある。地形や汚染状況を考えると、市部・郡部・全体と分けて比較する意味はありそうだ。三巡目でも同じ作業をすることにする。>
いずれにせよ、県民健康調査の中間報告における主張(※)は根拠を持たないことが証明されています。
(※ 増えたという証拠が確定したという意味ではなく、「増加の可能性を否定できない」としつつも「実質的に否定」した報告書の「断定」が否定されたという意味です。)
根拠
1)先行調査→本格調査での増加(前述)
2)本格調査で地域差が否定できない
福島県の甲状腺がん(201612)13市と3地域郡部別比較(暫定版)「地域差無し」とは言えない
2016年12月31日
http://blog.goo.ne.jp/kuba_clinic/e/c552065a58e08d9f24e5b199bc6bb170
福島県の甲状腺がんマップ(201612)市部・3地域郡部別比較
2017年01月02日
http://blog.goo.ne.jp/kuba_clinic/e/43fd6517922074893479feda55451274