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「朝鮮半島の非核化と核燃料サイクル」(青森県保険医新聞掲載):核の無意味化と核燃サイクルの終焉

2018年06月22日 | 東日本大震災・原発事故
#ここで重要なのは「北朝鮮の核廃棄」ではなく、世界的な核廃絶のプロセスの中での「朝鮮半島の非核化」であり、米国による「核の傘(脅し)」も排除することが必要だという点です。核禁条約への加盟という一見あり得ない案は、ノーベル平和賞ICANの川崎氏の主張を取り入れたものです。

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「朝鮮半島の非核化と核燃料サイクル」

 4月に開催された南北首脳会談の前に「米国がノーと言えないロードマップ」と題した予測をSNSに書き記した。①南北2国間で朝鮮戦争終結・平和条約締結(の声明)、②南北統一は当面先送り、③「朝鮮半島の非核化」宣言(南北同時)、④韓国が米国の核の傘から離脱、⑤南北同時に核兵器禁止条約加盟(核兵器は未廃棄)、⑥米朝国交正常化・平和条約締結(制裁は未解除)、⑦段階的な核兵器廃棄と制裁解除、⑧在韓米軍撤退。

 ここで詳しくは触れないが、①②③については概ねその方向で動いていると言えるだろう。④以降について、この通りに進む可能性は低いかもしれないが、文大統領は相当な覚悟で動いていると考えられ、専門家の予測とは違ったサプライズも十分にあり得る。

 重要なのは、70年近く継続してきた戦争状態をまず終わらせることであり、それが全ての始まりになる。「完全かつ不可逆的で検証可能な非核化」と繰り返し唱えるばかりでは、蚊帳の外に置かれるのも当然であろう。

 ④⑤は決して理想論ではなく、何も動かさずに情勢を百八十度転換でき、米国の核使用や先制攻撃の可能性も事実上なくなる。同時に、北朝鮮が核を保有する意味も消滅するため、即時の廃棄も可能となる。国交正常化と核廃棄の順序が逆では、実現は難しくなる。

 核兵器廃棄の段階について考えると、北朝鮮としては核兵器は廃棄しても、ポテンシャルは残しておきたい。ここで、ウラン濃縮と再処理の2つを非核保有国で保持している唯一の国が日本であることが絡んでくる。韓国は従来から日米原子力協定で認められている再処理と同等の権利を米国に求めており、南北統一を視野に入れて、北の核施設を民生用に残すと要求することで利害が一致する。

 米国は当然そのような条件は認めたくない。3月の猿田佐世氏の講演によると、米国内では原子力推進派であっても日本の再処理に賛成する人はほとんどいない。日米原子力協定は7月に自動延長となるが、それ以降は6か月前の通告で終了できる。米国にとって何のメリットもない日本の再処理を、取引材料に使うことはあり得る話だと考えている。

 米朝首脳会談後の展開がどうあれ、六ヶ所と北朝鮮の核は密接不可分である。北東アジア非核兵器地帯については長崎大学核兵器廃絶研究センターのHPを参照いただきたい。

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(原稿は以上で、字数の関係から触れられていないが、Facebookにはその他の重要ポイントについてもメモしているので、ここに再掲しておく)

・核兵器の完全廃棄の確認は不可能
・韓国が核の傘から離脱した時点で最前線は日本列島に(これまでも北朝鮮が韓国を核攻撃する可能性はゼロだったのだが)
・北の体制保証と金王朝永続の保証とは違う(次の課題)
・拉致問題は、米朝→日朝国交正常化の後に…
・南北朝鮮統一のためには、統一国家を永世中立国とすることが必要。混乱・難民化回避と新国家建設のために国連PKOを第三国で構成して駐留。ただし、金正恩体制のままでは統一は不可能。

更に追記
金王朝の永続ではなく、南北朝鮮の中立国家としての統一という、これまたあり得なさそうに思えるプロセスを考える上で、最も重要なことは経済開放、民間交流の拡大であり、その中で起こってくる情報の共有が、必然的に南北両国家間の一定の方向性を決めてくると考えている。。中国の習近平は自国同様の資本主義+強権国家の維持を目論んでいるだろうが、朝鮮半島の流れは動き出したら止まらなくなるはず。(流動化は危険性も伴うが)

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