以下は、昨年の東日本大震災で八戸市医師会の会員間・医療機関の間の連絡機能が途絶したときから1年を経過しても情報システムに何一つ新たな取り組みがみられていない現状に対し、(担当委員ではありませんが)一会員として提言したものです。
どうも即刻却下されたような気配ですが…(^^;)
三師会というのは、医師会・歯科医師会・薬剤師会(順不同)のことで、何だかお坊さんが首を揃えて集まっているようなエラそうな響きがありますね。。
HKNは何の略だったか。。Hは八戸、Nはネットワーク、Kは健康医療情報だとのこと。
八戸市健康医療情報ネットワーク
http://www.hachinohe.aomori.med.or.jp/
三師会だけでなく、八戸市も加わったものですが、どの程度機能しているのか会員にもよくわかりません。
■ 提言
1)会員全員がiPhoneなどのスマートフォンを使って複数(可能な範囲で多く)の連絡システムを普段から利用可能な状態にしておく
2)ラジオからの情報強化:BeFMを用いた災害時の医療情報配信
3)災害時の医療情報拠点の指定・整備
■ 前提
1)今日明日にも、東日本大震災以上の災害が起こることを想定
太平洋青森沖や釧路沖の過去の大地震・津波が明らかになってきている
→ 明日起きるか、数十年後になるかはわからないが
青森沖は東日本大震災後の震源空白域になっている
八戸では、東日本大震災以上の地震と津波を想定
新井田川からあふれると医師会事務局や市民病院、
消防本部、ヘリポートが被害を受ける可能性も
2)すぐに出来る対策と中長期的な対策を分けて考える
■ 現状:東日本大震災では
情報システムが電話、FAX、MLしかなく、停電で全て使用不能になった
■ 無線 →基幹病院、医師会、急病診療所、自治体やメディア等で活用すべきと思うが、一般の開業医全員が装備して情報インフラにする可能性はない
■ すぐにできる対策:携帯→スマートフォンへの乗り換え
ほぼ全員が所有している携帯電話の活用
iPhoneなどのスマートフォンの災害時における有用性が明らかになっている
(単に連絡手段としてだけでなく)
携帯→スマートフォンへの乗り換えは殆ど費用がかからずにすぐにでも可能
費用等は各自負担。医師会の持ち出しはなし
基地局の停電対策等も1年前からはかなり進んでいる(らしい)
携帯電話(音声)、携帯メール(imodeを含む)は繋がらないことを前提とする
基地局のアンテナが立っている限り、インターネットに直接入って活用する
twitterとSkypeが震災時にアクセス可能だった件について、ユーザー数との兼ね合いであると指摘しているが、twitterとSkype以外にも、現在数多くの通信手段が無料で利用可能となっている。
twitter 事前にフォローしあっておくと1対多→1対多のコミュニケーションが可能
Skype ビデオ、音声、グループチャット
FaceBook グループチャット
LINE 音声、グループチャット
Viber 音声、グループチャット
ナカマップ GPS位置情報、グループチャット
地域SNS:八戸市運営
「はちみーつ」 専用コミュニティ設置 震災時は活用されなかった
iMessage(iPhone同士のSMS) グループチャット、開封確認可能
SMS 個人間なら繋がる可能性が高いが
Gmail 携帯メールが使えない状況で震災時も利用可能だった
(この他にもいろいろあるようですが省略します)
災害時にどれが繋がるかはその時になってみないとわからない。
事前に数多くのシステムを、できるだけ多くの会員が参加して試験的に運用し、使いやすく有用性の高いものから順番をつけておく。
災害時にその順にアクセスして、繋がるものがあれば使う。
単純に考えて、現状ではこれしかないと思うのだが。
■ 急病診療所に無線LANインターネット回線を
急病診療所に自家発電が配備されたようで、停電時にも繋がる可能性が高くなった。
急病診療所を災害時の医療情報拠点の1つにする。
無線LANを1階と2階で接続可能にする。
(これまでも何度か日誌に書いて要望したのですが返事がなかった)
■ スマートフォンへの乗り換えは困難? 使いこなすのが難しい?
「iPhoneなどのスマートフォン」と書いたのは、この点に大きな誤解があると思ったから。
iPhone以外のスマートフォン=Androidは使ったことがないが、
難しさ iPhone < 携帯(ガラケー) < Android
ではないかと思われる。
私は普通の携帯が難しくて使えなかった。
iPhoneも最初の設定はお店でやってもらえる。
Androidでも使える人なら問題ないが、機種やOSバージョンの複雑さ、使い勝手や反応性の悪さなど、一般会員に勧めるには難がある(と思われる)。
すぐに使えるシステムを作りたいならiPhone利用を原則にするのが一番簡単で確実。
(iPhone同士ならiMessageが簡単に使える)
導入サポートが必要な場合は業者に有料で依頼(各自負担)。
しかし、八戸市医師会で実現するとも思えない。書いてみただけ。
■ iPhoneとAndroid(続き)
iPhoneの弱点はワンセグが使えないこと(これが震災時には大きかった)
→ 外付けのワンセグチューナーを購入
おサイフ携帯などの機能は不要
iPhoneはパソコン(Mac, Win)が必要、AndroidはPCなしで使える
→ 検査配信PCにiTunesを入れれば問題ない
Androidは上記の他に、Googleによる個人情報管理の問題が浮上
スマートフォンのマルウェア(ウイルスなど)は殆ど全てAndroid
■ 情報、サーバーの分散、バックアップ
医師会サーバに集中して運用するのは危険
どこがやられるかわからない
八戸かもしれないし東京かもしれない
バックアップした先がダメになる可能性も
各医療機関でもレセコンや電子カルテのバックアップが課題だが
■ BeFMの活用
携帯基地局が死んだらラジオしかない
昨年の震災時にBeFMにも何度かチューニングしたが、役立つ情報はほとんど何もなかった(短時間ずつ聞いた限りでは)
開局時に、無線の活用をうたっていたはず
必要な場合は、医師会や基幹病院から人が直接移動するなどして、定期的に情報を流すシステムを事前に準備しておく
■ 人が移動する
昨年の震災時、3.11の夜に街まで降りて家族親戚の安否確認をした際に、医師会にも寄ってみたが、照明はついていたけど鍵がかかっていて誰もいなかった。
結局、3.13に停電が解消されるまで医療関係の情報は入手できなかった。
震災後にガソリン不足対策として自転車(ママチャリ)を購入
遅いが一番確実なのは人が移動すること
地区毎の災害時医療情報拠点を決めておく
医師会、急病診療所、3病院や中規模病院、市役所や支所など
各拠点に無線や自家発電を配備