熊本熊的日常

日常生活についての雑記

いわさきちひろという人

2006年06月14日 | Weblog
いわさきちひろという人の絵本や絵はみたことがあっても、その人については全く知らなかった。男か女かということすら知らなかった。今日、上井草にあるいわさきちひろ美術館を訪れてみて、その作品だけでなく人となりについても初めて知るところとなった。正直なところ、作品のほうには興味は無いのだが、その生活史については興味深いものがあった。

作家、画家、妻、母という様々な役割を一身に背負いながら創作活動を続け多くの人々を魅了したのは、その才気の故なのだろう。しかし、何事にも限界というものがある。年譜を見て気付いたのだが、それまでの義父母の介護に、自身の母親の介護をするようになった翌年に病に倒れている。家政婦を2人雇っていたというが、心の負担は家政婦の数とは無関係であったことだろう。

本当のことはわからないが、残された作品や夫、息子の書いたものを読む限り、充実した人生であったように思う。少なくともそう見せるだけの力を感じる。その原動力となったのは、自分が情熱を傾ける対象をしっかりと掴んでいたということなのだろう。誰にでもできそうだが、稀なことである。