熊本熊的日常

日常生活についての雑記

散るぞ悲しき

2006年08月24日 | Weblog
齢を重ねるうちに様々な身体能力が衰え、失われて行く。自分が日々無力になりつつあることを自覚するのは辛い。しかし、現実を直視しなければ問題点は解決できない。安らかに人生を全うするというのは思いの外難しいことだと思う。

最近、アップルストアが主催するソフトのセミナーを受講した。平日の昼間であるが老若男女10名ほどの受講生がいた。セミナーのタイトルには「入門」と付いているが、PC用語については多少のリテラシーが要求される。案の定、講義はリテラシーが欠如している人たちの質問で時々中断される。講師は手慣れたもので、そうした質問をこなしつつ、カリキュラムは着実に消化されていく。

高齢者、特に男性は素直に「わからない」と言わない傾向があるようだ。自分が出来ない理由をうだうだと説明してから問題点に向かう。何故つまらぬ見栄を張るのか理解に苦しむが、男性とはそうしたものらしい。わからないこともわかったふりをするから、講師の説明が理解できていないのに、そのまま講義は進行する。かくして、彼の理解は進まず、誤解だけが定着する。彼は何も得ることなく時間が過ぎる。こうして今日も彼の老いは深まっていく。