熊本熊的日常

日常生活についての雑記

ホワイトデーでチョコレート

2010年03月12日 | Weblog
ホワイトデーで職場の人たちに配るチョコレートを谷中のイナムラショウゾウで買った。よほど経済的な余裕があるとか、食べ歩きを趣味にしているというようなことがなければ、こういうところでチョコレートを買ったりしないのではないかと思うのは私が貧乏人だからかもしれない。例えば虎屋の羊羹とか、こういう店のスウィーツといったものは頂いて食べるものであって、自ら買うものではない、というより自ら買えないものだという思考の習慣が染み付いている。困ったものだ。

それで良い機会なので、自分用にも同じパッケージを購入して食べてみた。これが衝撃的な味だった。もちろん、チョコレートであることには違いないのだが、創造的な味なのである。例えば、茅場町のみかわで天ぷらを食べたときに、天ぷらのおいしさというものを改めて発見する。そういう類の創造性と言ったら理解してもらえるだろうか。チョコレートというものにはこういう可能性があるのだということを発見した喜びを感じる味なのである。6個入りの箱なので、まだ全部は食べていないが、「谷中」というのは特に印象的だ。夕焼けだんだんをイメージして作ったと説明書きにあるが、たぶん、この店でしか出会えないような味だと思う。既にブランドが確立して本来の味が失われているような所謂「高級チョコレート」とは明確に一線を画していて、茶会の席に出してもよいと思われるような逸品だと思う。

この店のことを知ったのは2003年か2004年頃のことだったと思う。仕事関係の研修で、鶯谷へ来る用があり、その時に職場の人たちから研修の帰りにイナムラショウゾウのモンブランとロールケーキを買ってくるようにと頼まれたのである。既に注文してあるので代金を支払って商品を受け取ってくるだけでいいから、と言われ、注文に使ったファックス原稿と代金を預かって研修の帰りに商品を受け取りに行った。午後5時近い時間だったが、店の前には行列があった。これに並ぶのかと思ったら、事前に注文をしている人は列に並ばずに店に入ればよいことがわかり安堵した。職場に戻ってモンブランを頂いたとき、その濃厚な味わいに驚いた。以来、数えるほどではあるが、何度かここのケーキを楽しませていただいている。去年だったか一昨年だったか、新たにショコラティエが開店した。谷中墓地がJRの鶯谷と日暮里の間に広がっているが、ケーキ店は谷中墓地を挟んで鶯谷側にあり、今日訪れたショコラティエは日暮里側にある。

縁あって、谷中でお茶を習うようになり、そのショコラティエの前を月に一度通る。先日は子供と国立博物館へ行く途中、夕焼けだんだんの上にあるインド料理店で昼を食べ、このショコラティエで食後のホットチョコレートをいただいてから出かけた。ただ、これまで固形のチョコレートはいただいたことがなかったので、ホワイトデーを機に味見をしてみた次第なのである。

なお、この店はクレジットカードが使えない。自分のささやかな経験に照らせば、クレジットカードが使えない店のほうが良い仕事をしていることが多いように感じられる。