熊本熊的日常

日常生活についての雑記

がちゃがちゃ

2012年05月09日 | Weblog

近頃コンプガチャがどうしたこうしたというような話をよく耳にする。たまたま今日聞いたのだが、総務省の「家計調査」によれば、昨年、全年齢世帯における通信費が教育費を初めて上回ったのだそうだ。ここでの通信費には携帯電話と携帯端末で遊ぶゲーム代なども含まれているという。教育費といえば家計における聖域のような位置付けであったはずだ。確かに昨今の厳しい就職状況を見れば中途半端な教育に金をかけてもしょうがないと思う人が増えても不思議はない。しかし、だからといっておそらく何も生み出すことのない通信費を野方図に垂れ流すというのでは世も末だ。

もちろん、この統計は教育費を減らして、その分を通信費に回すという意味ではない。単に、家計において教育費が減って通信費が増えたという事実と、これらの費目の金額が近接しているという事実を表現しているだけであって、ひとつの家計が傾向として教育費を削って通信費に回しているということを意味しない。

「家計調査」が日本の平均的家計を表現しているのかどうか知らないが、仮にそこに示される動きが日本全体の家計アロケーションと一致しているとするなら、少なくとも今世紀に入って教育費は減り続けている。人々が次世代の人間を育成するための投資に消極的になれば次世代という時代そのものが失われてしまう危険が大きくなる。通信費が次世代育成と無縁とは言わないが、現に携帯ゲームの課金に関して社会問題が生じているのだから、その増加の背後に通信費に名を借りた刹那的遊興費が存在感を増していると考えてよいだろう。

もうひとつ昨年逆転したのが理美容品支出と自動車等購入費だ。理美容品支出はこの10年ほど殆ど変化がない。対して自動車等購入費は減少を続け、特に30-39歳世帯では半減している。所得環境が厳しくなり、家計を絞らないといけないというときに、耐久消費財を諦めても化粧品は減らさないのである。面白いものだ。

だからどうだ、というのではない。だからどうという自分なりの結論はあるけれどここでおおっぴらにするのは適切ではない、と思うのである。