先月、晴れて子供の学資保険が満期を迎えた。これで、大学の初年度納入金くらいはなんとかなりそうになったので、これから自分のことも少しなんとかしないといけないと思うようになった。それで、どういうわけか、今日は超越瞑想の説明会と結婚相談所の無料カウンセリングに出かけてきた。それぞれ2時間に及ぶ気合いの入ったもので、いろいろな意味で面白かった。
まず、午後の早い時間に超越瞑想のほうへ行く。説明自体に特に感心するほどのことはなく、2時間の説明が終わってやれやれという感じだった。せっかく久しぶりに新宿へ来たので、げんこつ屋のラーメンを食べて、その後、みつばちでかき氷でも頂こうと思っていたら、どちらの店も無くなっていてがっかりした。
1996年10月から2007年9月まで西武線沿線で暮らしていた。この間、勤めのほうは茅場町、神谷町、渋谷、霞ヶ関、大手町、丸の内と代わり、このうち神谷町時代から霞ヶ関時代にかけて新宿で乗り換えをしていた。既に帰宅拒否症候群のような感じだったので、小滝橋通りにあった「げんこつ屋」とか西武新宿駅前の飲食店ビルの地下にあった「みつばち」で一服して、同居人が寝静まった頃に帰宅していた。いわば私のオアシスのような店だった。幸いにも今はオアシスを必要としない生活を送っているのだが、今日久しぶりにかつてのオアシスを訪ねてみたら、どちらも枯れてしまっていたというわけだ。
「げんこつ屋」は高円寺で創業した有名店の支店だ。新宿小滝橋通り沿いはラーメンの有名店の支店が軒を連ねる激戦地だったが、ある日「げんこつ」のカウンターでラーメンを啜っていたらキッチンで作業をしていたバイトの人たちが、「今日さ、そこの◯○の行列に並んで食べてきたんだけどさ、うちのほうが絶対おいしいよね」「うん、あたしもそう思う」という会話をしていたのを今でも憶えている。そのとき、この店はいい店だと思ったものだ。ネットで調べてみたら2007年に閉店したという。創業者もその直後に他界されたそうだ。
「みつばち」はかき氷がおいしい店だった。これもネットで調べてみたら、4月20日に閉店したそうだ。58年も続いたのだそうだが、それでも終わりは必ず来るのである。今は、居抜で炭火焼の店に変わっていた。世に変わらぬものは無いとはわかっていても、自分がかつて気に入って足を運んでいた店が次々に無くなってしまうのは、やはり寂しいものである。
池袋へ移動して、伝統的工芸品センターでも覗いてみようと思ったら、これも今年の3月に閉店して青山のカナダ大使館の近くに移転していた。こちらは創業の地への回帰だそうだが、池袋では10年に亘って営業し、一時期は私もここの会員でもあったので、やはり寂しい。最後にここで買ったのは、昨年9月、井川メンパの弁当箱だ。
東口へ抜けて、西武のリブロで注文しておいた本を受け取る。その後、店内をうろうろしてしばらく立ち読みなどをして過ごす。近頃、書籍を購入するときはネットで検索して、Honya Clubに在庫があれば発注してリブロで受け取り、在庫がなければAmazonで購入する。こうしてリアル店舗を徘徊すると、ネット検索ではおそらく出会わないような本に遭遇するので、たまには本屋を歩かないといけないと改めて思う。今日は浅川巧の「朝鮮陶磁名考」の復刻版を見つけて買ってしまった。
その後、結婚相談所でカウンセリングを受ける。カウンセラーといろいろ話をしているうちに、やっぱり伴侶を探さないといけないかもしれないと思うようになった。