熊本レポート

文字の裏に事件あり

熊本県内での贈収賄容疑から見た市町村議会

2015-02-23 | ブログ

 議員が執行部側の建設部長と会食を取った。倫理的にはどうあれ、現実的には「情報交換」と称して地方議員でもよくあるケース。だが、その現場を別の議員が見ていて、証拠を握った議員は「誤解以上の懸念される行為」として副管理者である副市長にそれを注意。
 そこで副市長は同部長を呼んで厳しく叱責。その叱責が管理者として許される内容であったか、または人権を侵される程の言動が取られたかはともかく、叱責を受けた部長は萎縮して仕事が手につかない、と再び会食した議員に相談。この2人の結論は「副市長によるパワハラ(パワーハラスメント)」という見解となった。
 また、子どもの就職に関して母親が議員に相談。それが達成されて仲介した議員は母親に男女の仲を強要。それが発展してストーカー行為となって、これもまた別の議員に相談し、同議員が容疑の議員に注意。
 ところが逆に弁護士を通じて、同議員が警告を受けた。
 そこで話は振り出しに戻って、仲介行為における贈収賄話まで浮上。
 極めて単純明快な話なのだが、地方議員の利害関係によっては事案が複雑化するだけでなく、新たな事件の前兆ともなる。
 ところで合志市議会議員の月額報酬が昨年12月、議員13人の珍しく元気な挙手で30万5000円から37万円に昇給。
 反対したのは上田欣也、坂本早苗、濱元幸一郎、今村直登、神田公司議員の5人(当時欠席2議員)。
「首長の報酬アップに向けての前提決議で、財政改革の時期に6万5000円のアップなんて市民には許されないこと」
 市民の間で「合志市議会議員の報酬を考える会」が発足して、逆にダウンさせると新人10人の擁立が次市議選に向けて動き出した。
 政治資金収支報告書における虚偽申請、防災行政無線デジタル化事業での不可解な基本調査の入札問題も気づかなかったどころか、農協職員が加担した農作地への廃棄物不法投棄問題さえも感知せず年間50日前後の出席で月額報酬37万円とは、確かに無駄な生活救済策。
 それではチェック機能は働かなくとも、議員提案として市政に反映されたものが果たして何件あったか。これでは、想定されるのは明らかに市議会不在。


 児童福祉法違反、青少年保護条例に反した議員が「青少年の健全な育成」を訴えても理解は困難だが、そうした買春行為で摘発された前歴のある議員も存在する。すなわち有権者の多くは、市町村の政治が自分の懐から「金を抜き出した」という行為でも遭遇しない限り、頭では理解しても日常の生活に追われて地方議会どころではないというのが現実。
 また議会側の多くが、「市民に必要以上に関心をもってもらっては困る」というのが本心であって、上の二点からして先に述べた「議会刷新」にむけた啓発運動の難しいことも確か。
 市民側による啓発運動とはセレモニーやイベントで終わるものではく、議員に対して「何を成したか、何を成すのか」の確認と、その広報。
 いま求められるのは「地方議会に競争原理」を導入することで、その現実的な手法、プロセスこそが「政治に関心を持つ有権者」に向けた市民運動ではなかろうか…。