熊本レポート

文字の裏に事件あり

日鉄もタクマも三菱重工も荏原もJFEも冷やかに見つめる熊本県上益城の環境アセス 第1回

2023-06-05 | ブログ
 2021年6月、熊本県上益城広域連合(荒木泰臣連合長・嘉島町長)に係る上益城郡5町長は、県某幹部に引率される形で大栄環境(大阪府)の三重リサイクルセンターを視察したが、これは大栄環境等によって『廃棄物のリサイクル施設・焼却施設』の事業計画が、藤木正幸御船町長等に説明があって僅か1ヶ月後の見学。


 ところが5町長と及び同関係者、そして御船町の一部町民(処理施設建設予定地を中心とした住民)を除いて、県民の多くがこの事業計画を知ったのは2022年3月28日、地元紙のコピペによる『蒲島知事の立会の下、上益城の環境アセスの実施に向けて5町長と大栄環境・石坂グループ(熊本市)との間で協定を締結』という報道。
 しかし、これでは「何んで〜?」と種々の疑問符を並べる事になるが、そんな地元紙はあくまでも貴重な公報役だと理解して、こうして独自の情報収集で前の謎を埋め、それを時系列的に並べて、それに同年10月の山都町での星山商店(熊本市)の処分場開発騒動を加えると、該当事案の絵が7割がたは見えて来る
 そして、ここに来て『協定は話し合い(事業推進)には応じるが発注へ向けた協定ではない』(荒木連合長談)という見解が飛び込んで来た。
 社会インフラ整備は住民生活の上で必要不可欠な事業と理解しつつも、環境等のルール、そして住民生活との調和の上で該当の自治体にとっては正に最大の難事業。それだけに「代行役が居たら託したい」(責任)という本音も理解される。
 一方、福祉NP法人の「公金チュウチュウ」とは比べ物にならない程、この環境事業には超多額の公金が投下され、そこには住民に見えない形で「公金ヂュウヂュウ」の環境ビジネスが存在する事も確か。
 熊本県では近年、菊池環境保全組合(大津町)と八代市、それに宇城広域連合(宇城市)と新ごみ処理施設の発注先が日立造船と続いたが、その理由を元国会議員は「地元企業」と解説。
 だが同社は陸に上がり、玉名郡長洲町から工場完全撤退して10年以上は経過。
 しかし、
「人事的に地元企業」(元県会議員談)
 と返されると納得。
 今でも県三役クラスが営業顧問として天下っているとなると、県幹部に在っては確かに地元企業。
 また熊本県職OBは、同種コンサルトである日本環境衛生センターにも天下って居て熊本県幹部、いや日立造船の熊本県での環境ビジネスは「鬼に金棒」(同業他社談話)と皮肉さえ出る。
 それでは、どれ程に手強い仲かとして例を上げるが、法的にはコンサルトは施工や運転整備の受注に関わってはならないとされるが、宇城広域連合の場合では、同コンサルトが受注した日立造船グループに参画。
 この不法的な発注を何故に組合議員は承認したかだが、 
「事務局が同グループ参入を承認議会後まで隠蔽」(複数の組合議員談)
 となると、表現の悪い仮定ながら金を懐に入れても「入れてない」で通せる県の環境ビジネスだと、この対上益城広域連合の環境アクセス整備計画の場合も、そんなスタンスが求められる。
 前置きだけで今回は終わりそうだが、この該当事案での疑問の解決への糸口は、登場する大栄環境、石坂グループは焼却、処理の運営会社で在って、焼却炉を中心とした処理施設機メーカーではないという点。
 次に上益城広域連合圏の住民ごみ焼却量は100㌧/日の想定だが、計画では産業廃棄物の焼却量が加わり400㌧/日という大規模事業という事。
 論理的に考えると最終的な想定は可能だが、先に述べた通り「責任転嫁したい難事業」と、くまモンの蒲島知事など入る余地もない「何百億円もの環境ビジネス」との摺り合わせで、着地点の難しい同事業。
 このまま県の誘導に乗って紆余曲折の事業計画で進むか、それとも速やかに振り出しに戻り単独推進で走るか現在、その岐路に在る上益城広域連合ではなかろうか…(県幹部の6万7千円は誰が支払ったか等の第2回へ続く)。