天草市出身の行政幹部、政界関係者の「天草を任せるリーダーとして良識と常識に欠ける」という感情込みの批判はともかく、『舐められた天草』と大笑いの原因が、この連合長には99・7パーセントあるのではないか。
(写真は記事とは無関係の光ファイバー敷設工事)
鉄屑商いの家業から元立憲民主党矢上雅義議員の秘書を経て天草テレビ、天草ケーブルネットワークを興し、前天草青年会議所理事長として天草市長選で初当選という経歴には、それなりの評価も出るが、その見解が地元と地元出身者とでは大きく別れる。
その理由は、前故市長が中央直結の実力派首長であったのに比べ、現市長が立憲民主党畑から誕生したという点にもある。
そんな連合長がケーブルネットワークの代表時代、故前市長から5億円余りの随意契約受注という意外な出来事があった。
(写真は記事とは無関係の光ファイバー敷設工事)
天草市は光ファイバーで天草広域を繋ぐというプランを010年頃に打ち出し、この天草ネットワーク整備事業(総額16億円)は018年頃から本格工事を開始したが、この時、天草ケーブルネットワークが5億3500万円余りのケーブル敷設工事を随契で受注。即ち、無競争での受注。
何の理由での随契だったのか、実に不可解な公共工事の発注だが、これについて複数の議員が同問題を認め、
「当時は全員与党で、問題の提議もせず承認したのは大失敗」
と語る。
地方の実力派首長の議会では稀に見られる与党議員のケースだが、裏を返せば実際の野党議員による検証役という資質は無能という証でもある。
いずれにしても、ここで現連合長の公共工事に対する無法の素が生まれたとすると、その不遜の責任が議会に問われるのも確か。
また、これから述べる該当事案での非常識な経緯の中で、「レベルはどうあれ、専門的な知識を所持した建設管理課、またコンサルのアドバイス、提供資料で知識を得ている連合事務局のスタッフも部下として在席している訳で、彼らのアドバイスがあったら、こうした非常識な事業計画は生まれなかった」という外側のコメントが大多数を占めるが、これについては「聞く耳を持たず我を通す性格」という見方もある。
仮に専門家と称する先述の彼らによるアドバイスの結果と反論されると、「馬鹿」という差別用語は禁句と止めても、その彼ら職員のレベルは無専門知識の高校生以下。
それでは公共事業に対する不遜の姿勢に在るとする連合長だが、その1番目は該当事業計画で『シャフト型とストーカー型を一緒に応募』という点。これは大湊漁港に上げられたマグロと神戸産の牛肉とをまな板に乗せ、「味はどっちが良いか」といった公募。勿論、好みの相手次第で味も違うし、また一口の値段だって大きく違う。それに後述する1社の入札辞退が示す通り、料理方法にも影響される。
この不可解な2型公募が、連合長の「日鉄エンジニア(シャフト型)の誘導」にあった事は明らか。なぜなら、この日鉄エンジニアの技術スタッフと専門的な共同論文を発表したばかりの北辻教授(宮城大学)を、今回の入札選考委員会の副委員長に迎えたのだ。
熊本大学だけでなく熊本県立大学、それに九州大学と、同種選考委員会でも経験豊富で、そうした専門的な知識を有する教授が地元、九州圏にも多い中で、連合長はわざわざ遠き宮城県から同教授を宿泊先の手配も必用な九州、しかも熊本県でも東シナ海を臨む天草に迎えた。
これに関係深い日鉄エンジニアが入札に応募となると、対抗するストーカー型の大手メーカー連が「天草の意向は日鉄」と、中にはお家事情があっても早々と「入札不参加」を決めたのは当然な理由。
発注側に当初から意向のない者はいないが、ここまで常識を外してのレール敷きは珍しく「馬鹿か」との質問まで飛び込む。これには先述した理由による「公共事業に対する不遜の対応」と、同結論を返答。
だが、その不遜の対応が怖れとして、他メーカーの入札不参加(事件化想定も含み)に繋がったのは事実。
しかし誘導されて参加の予定であった日鉄エンジニア側にも、怖れが生まれた。それはここまで見え見えした発注側の舞台づくりでの事件化もそうだが、焼却灰の処理等から味が出せないという料理方法、また予算上から80パーセント後半の落札率が想定され、それでは日鉄の名誉にも関わるし、それよりも安価なストーカー型には負けるとの結論が入札辞退となった(現実のストーカー型による99・7%の落札候補は改めて後述)と推定。
ここまでが該当事業の前半だが、種々の奇々怪々な問題点は、全て連合長の独断で周囲を巻き込んでの結果と言えるが、その背景にあるのは自らの5億3500万円余りの随契受注で得た公共事業に対する不遜、そして聞く耳を持たずの独断と想定。
こうして改めて振り返ると、天草出身者の「良識と常識に欠けるリーダー」という見解も確か。
次は日鉄の入札辞退後の不遜と続けるが、この間も落札候補と建設に向けての協議中と聞けば、不遜とは何かと改めて問いたくもなる…(次3回へ続く)