万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

台湾との外交関係強化は戦争を防ぐ

2007年10月08日 18時19分43秒 | アジア
 中国が唱える「一つの中国」政策の影響もあって、これまで日本国を含めた諸外国は、台湾との関係については、国連の対応に窺えるように、極めて消極的な態度を示してきました。しかしながら、中国が「反国家分裂法」を制定し、台湾の「独立宣言」に対して武力行使を示唆するに至って、この中国寄りの政策は、見なおすべきではないかと思うのです。

 仮に、このままスケジュール通りに台湾が「独立宣言」を行うとしますと、2008年には、中台間において武力衝突が発生し、それは、アメリカおよび日本国をも巻き込む大規模な戦争に発展する可能性が予測されます(この時、日本国は、台湾防衛の選択を迫れる・・・)。この予測される中国の暴挙を抑止するための最大の外交努力とは、国際社会が、台湾との関係を強化し、一独立国家として扱うことではないかと考えるのです。

 例えば、日本国は、1972年に失効した日華平和条約にかわって、新たに台湾との間に基本条約を締結することも一案となりましょう。当然、中国が強く反発することになりますが、諸外国の政策転換によって戦争を防止できるならば、その機会を逃してはならないと思うのです。

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