万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

制裁するもしないも結果が同じなら

2007年10月12日 20時42分35秒 | アジア
ビルマ問題は制裁では解決しない――フィナンシャル・タイムズ(フィナンシャル・タイムズ) - goo ニュース

 このフィナンシャル・タイムズの記事によりますと、ビルマの軍政は、国際社会が制裁を課しても民主化への変化は期待できないということのようです。このことは、結局、制裁を科しても科さなくても結果は同じ、つまり、軍政はしぶとく生き残ることを意味しています。

 もし、結果が同じであれば、制裁を科す方が、軍政を経済的に支援するよりは、はるかにましなように思えます。ビルマへの投資は、軍の幹部といった特権階級の懐しか温めないでしょうし、あるいは、利権化して軍部の権力をさらに強めることにしかならないでしょう。また、弾圧を行っても、国際社会が軍政下のビルマに変わらず投資を継続するとなれば、軍は、再び国民に牙をむくことになるかもしれません。

 国際社会は、ビルマの国民に対して将来のヴィジョンを助言しつつ(多民族国家型の民主主義体制)、民主化活動こそ、支援すべきではないかと思うのです。

 

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