万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

国家の存在意義を考えて

2007年10月23日 19時59分22秒 | 国際政治
ミャンマー人権調査、国連特別報告官が入国へ(読売新聞) - goo ニュース

 ビルマにおいて発生した弾圧事件は、かの国の軍事政権が、国家の基本的な役割について極めて薄い認識しか持っていないことを示しています。軍事政権や独裁政権は、国家権力とは、国民を支配し、国費を自己のために費やし、公的権利を独占するためにあるものぐらいにしか考えていないのです。

 国民にとって良き政府とは、国民を守り、国民の生活水準の向上に努め、かつ、国民の自由と権利を保障するものです。人類は、長い年月をかけて、良き政府を築くための努力を重ねてきました。この観点からみますと、ビルマの政府は目指すべき姿から遠ざかり、醜悪で残酷な政府である現状に満足しているのです。

 ビルマのみならず、こうした醜悪な政府は、まだまだ地球上に数多く存在しています。今からでも遅くはないのですから、自らを省みて、良き国家へと脱皮する道を進んでいただきたいと思うのです。そうして、そのためには、自己の利権や特権を手放す覚悟こそ必要なのです。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする