万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

非共産系労働組合が中国を変える日は来るのか

2010年06月19日 15時32分56秒 | アジア
トヨタ中国工場で操業停止 スト、日本企業に影響拡大(共同通信) - goo ニュース
 1989年は、冷戦を終焉に導いた東欧革命が起きた年として歴史に刻まれています。その発端こそ、ワレサ氏率いるポーランドの自主管理労働組合「連帯」の果敢な活動でした。現在、中国でも、非共産系の労働組合が、その活動を活発化させているようです。

 プロレタリアート独裁、つまり、労働者独裁を唱えて建国したものの、共産主義国家が、労働者の権利を充分に保障していなかったことは、よく知られた事実です。中国の急激な経済成長を支えたのも、劣悪な条件下での低賃金労働でした。”奴隷労働”とまで揶揄され、近年では、過酷な労働に耐えかねた労働者の自殺が社会問題ともなりました。労働者独裁の国が、労働者の酷使を容認しているという矛盾は、どこかで破綻をきたしてもおかしくはありません。共産党は、”本物の労働者”の党ではないのですから。

 歴史は必ずしも繰り返すとは限りません。しかしながら、非共産系の労働組合の非難の矛先が、低賃金を越えて共産主義政権そのものに向かうとき、あるいは、中国の体制崩壊もあり得るのではないかと思うのです。

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コメント (10)
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