万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

危うい石破政権の誕生-日本国は中国の傀儡国家に?

2020年07月20日 11時08分17秒 | 日本政治

 本日の日経新聞朝刊には、直近に同社が実施した世論調査の結果が掲載されておりました(7月17日から19日に実施)。質問には「ポスト安倍」を尋ねる項目もあったのですが、同質問にあって26%の支持を得て一位となったのは石破茂氏であったそうです。しかしながら、今般の国際情勢を考慮しますと、石破政権の誕生は、日本国を危機の淵に立たせる結果を招くように思えます。

 

 何故ならば、次期首相に石破氏を推しているのは、親中派で悪名高き二階幹事長であるからです。石破氏の後ろに二階幹事長がおり、さらに同氏の背後には中国が控えているとしますと、石破政権の誕生は、間接的であれ、日本国に中国の傀儡政権が成立することを意味しかねません。新型コロナウイルス禍に際しての初動の遅れには中国への配慮があったと再三指摘されてきたように、現在の安倍政権にあってさえ、国民の多くが危惧するほどに政府は中国に対して及び腰です。石破政権ともなれば、親中傾斜にさらに拍車がかかることは十分に予測され、日米同盟をも危うくする事態さえ現実味を帯びてくるのです。

 

 しかも、中国は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック化の責任をとろうともせず、同ウイルス禍に翻弄される諸国の混乱に付け込んで、より暴力的な行動に訴えるようにもなりました。香港国家安全維持法の制定に留まらず、日本国に対しても、尖閣諸島周辺海域での軍事的行動を活発化させ、日本漁船の取り締まりや地名改名の中止さえ求めてもいます。‘内政問題’と言い張って諸外国からの批判を跳ねのけるのが中国の常套手段ですが、一方的に他国の領域を自国領と主張し、‘内政問題’と言い募るのは明らかに国際法に違反する行為です。中国とは、有体に言えば国際社会における暴力団であり、国際犯罪の常習犯なのです。

 

 こうした傾向からしますと、やがて中国は、明時代における鄭和の遠征を根拠にアメリカ大陸の第一発見者は中国人であると主張し、アメリカに対して領土を明け渡しを求めるかもしれません(ギャビン・メンジーズが記した『1421-中国が新大陸を発見した年』という書物がある…)。荒唐無稽のようにも思えるのですが、尖閣諸島や南シナ海における領有権主張にも見られるように、中国は、‘それらしく見える記述’を過去の文献から掘り出し、これらを根拠として現状を一方的に変更しようとしてきました(こうした虚偽や府会による領土主張は、常設仲裁裁判所や専門家によって否定されている…)。常識や善意を嘲笑うかのような言動によって、国際社会はしばしば中国に不意打ちをくらい、その暴挙の前に呆然と立ち尽くすこととなったのです。

 

 現代という時代にあって風林火山の戦法を得意とする中国にかかっては、日本国の未来も危ういというしかありません。日本国の首相も、あれよあれよという間に政界内の謀略やチャイナ・マネーの力によって、石破氏に決まってしまうかもしれません(二階幹事長は、近々、派閥横断型の研究会を発足させるとも…)。日本国民は、蚊帳の外に置かれ、全てが決まった後になって事の重大さに気が付くのです。

 

 マスメディは、しばしば‘国民からの人気が高い石破氏’という枕詞を付けますが、親中派に与する石破氏が国民からの信望が厚く、人気を博しているとは思えません。日本国民の多くが石破政権の誕生が親中政権の誕生と凡そ同義であることを認識していれば、石破氏が一位の座を得るはずもないのです。あるいは、習近平国家主席の国賓来日に反対とする回答は62%ですので、石破氏が獲得した26%の支持率とは、残り38%の同訪日賛成派の数字と重なっているとも考えられます。

 

このことは、複数の候補者の中から最も多くの得票を得た人が選ばれるとする方式であれば(小選挙区の問題と同じ…)、国民の大多数が反対する人物でも、トップに選ばれてしまうリスクを表しています。もっとも、幸いにして自民党の総裁選挙は最多得票者を当選者とする方式ではなく、「当選者は国会議員票と党員投票の算定票を合計して、過半数の得票を得た者」とされ、一回目の投票で決まらない場合には、上位二名による決戦投票となるそうです。しかしながら、それでも、党内力学によって石破氏が選出される可能性も否定できず、日本国の先行きが懸念されます。暴力と謀略を以って世界の覇権を握ろうとする中国を封じ込めるためには、中国に対して毅然と対峙する反中派の政治家こそ、日本国の首相に相応しいのではないかと思うのです。

コメント (2)
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