新型コロナウイルスのワクチンについては、どうしたわけか、各国政府とも前のめりの姿勢が目立っております。ロイター発の情報では、かのトランプ大統領でさえワクチン開発については中国とも協力する意向を示したとされ、米中対立が激化する中での豹変ぶりには驚かされます。日本国政府も、既にイギリスのアストラゼネカ社との間で調達交渉に入っているとも報じられておりますが、ワクチンについては、むしろ科学的な見地からの否定的、あるいは、悲観的な情報の方が多いように思えます。
ワクチンに関する科学的な情報としては、(1)抗体が二から三か月程度で激減する、(2)新型コロナウイルスは変異が容易なRNA型であり、ウイルスの型が違う場合、海外の治験の結果は他国に適用できない、(3)変異が生じた場合、新しいウイルスにはワクチンが効かなくなる(抗原原罪…)、(4)ワクチン接種が、変異したウイルスに感染した場合、重症化を引き起こす可能性がある(抗体依存性感染増強)(5)インフルエンザやSARSはおろか、HIVでさえワクチン開発に成功していない、(6)ワクチンの効果には個人差がある、(7)ワクチンの効力持続期間は限られている(インフルエンザワクチンで凡そ4か月程度…)(8)長期的な副反応(副作用)については全く分かっていない…などがあります。こうした情報に接すれば、誰もが、ワクチンの接種には二の足を踏むはずです。新型コロナウイルスの発祥からわずか1年も経過せずしてワクチンの安全性が確認されるはずもなく、しかも、現状にあって、新型コロナウイルスの特性さえ十分に明らかにはされてはいないのです(新たな症例の報告が未だに続いている…)。
この状況下にあって、仮に、政府がワクチンを大量に購入し、国民に対する接種を始めるとしますと、どのような事態が起きるのでしょうか。優先的なワクチン提供対象者は、医療従事者や介護施設で働く方々、あるいは、重症化しやすい高齢者や基礎疾患を持つ方々など、高い感染リスクに晒されている方々とされています。しかしながら、仮に、接種によって上記のような副反応が発生するとしますと、意図せずとも、これらの方々をワクチンの‘実験’に供してしまうことにもなりかねません。とりわけ、新型コロナウイルスとの闘いの最前線にある医療従事者の方々が健康を損ねてしまうことにでもなれば、日本国の医療も崩壊する事態となりましょう。そして、アストラゼネカ社は日本向けに1億回分のワクチンを供給する方針とされていますので、やがて、全国民がワクチン接種対象となりましょう。ワクチンを大量購入した手前、日本国政府は、あらゆる手段を用いて国民をワクチン接種に追い込むかもしれません。その導火線は、既に敷かれているようにも思えます。
アストラゼネカ社といったワクチン開発・製造にいち早く成功した製薬会社も、副反応リスクについては自覚しているようであり、仮にワクチンによる薬害が発生した場合には、調達した側の政府が賠償責任を引き受けるとする条件を付しているようです。即ち、既に製造者側が薬害の発生を予測しているのですから、安全宣言どころか、リスク宣言とも解されるのです。
アメリカでは、CDC(アメリカ疾病管理予防センター)の長官が国民の三分の一がワクチン接種を拒否すると予測しており、ワクチン警戒論が広がっておりますが、日本国内のネット上の反応を見ましても、およそ反対、あるいは、疑問一色のようです。国民の多くがワクチンに懐疑的な中で、政府のみが巨額に上ると予測される賠償責任を引き受けてまでワクチン調達に奔走する姿は、どこか不自然でもあります。中国では、中国カンシノ・バイオロジクス(康希諾生物)<6185.HK>と人民解放軍の軍事科学院が共同開発を行っているそうですが、人民解放軍の名が挙がるところを見ますと、あるいは、国民には知らされていない何らかの情報を各国政府は掴んでいるのでしょうか。
科学的な情報や知見に耳を塞いで政府がワクチン調達に走っているとしますと、重大な情報を隠蔽した中国と同罪ともなりましょう。危険を察知した多くの人々がワクチン接種を拒否する事態も予測され、巨額の予算を投じつつも、政府は、ワクチン在庫の山を抱えかねないのではないかと思うのです。