万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ウクライナ危機の’誰も言わないシナリオ’

2022年03月07日 12時34分21秒 | 国際政治

 混迷を増すウクライナ危機の先は見通せず、今後の展開に関しては様々な憶測や予測がメディアでは飛び交っております。地理的に遠方にある日本国内でも不安感が広がっていますが、それは、この紛争が第三次世界大戦への導火線となりかねないからなのかもしれません。そして、第三次世界大戦へと発展するリスクが現実に存在する以上、危機管理の側面から、’誰も言わないシナリオ’についても考慮する必要があるように思えるのです。

 

 誰も言わない、少なくとも、各国政府、並びに、大手メディア等は決して言わないシナリオ’とは、今般のウクライナ危機は最初から計画された茶番であるというものです。つい最近までは、こうした説は陰謀論として一笑に付されてきたのですが、二度の世界大戦の経緯を振り返りますと、今般のウクライナ危機から第三次世界大戦へというシナリオも、あながち否定はできないように思えます。何故ならば、先の大戦と同様に、今般のウクライナ危機においても、合理的に説明できない不可解な現象が観察されるからです。

 

 第三次世界大戦時の真珠湾攻撃については、奇襲作戦としての不徹底さの他にも、ドイツまでもがアメリカに宣戦布告する切っ掛けとなったという側面があります(ヒトラーの側近たちは反対…)。その一方で、イギリスのチャーチル首相は、真珠湾攻撃の報に自軍の勝利を確信したとも伝わり、日米の参戦や連合軍側の勝利は織り込み済みであったのかもしれません(大西洋憲章も、アメリカの参戦以前に成立している…)。また、ナチス・ドイツがスターリングラードに進軍したのも石油資源の確保の観点からは不合理な行動なのですが、こうしたナチス・ドイツの非合理的な行動の説明は、独裁者ヒトラーの狂気で片づけられているのも疑問なところなのです。今般のプーチン大統領の暴挙も、同大統領の個人的な精神状態が問われており、第二次世界大戦時のヒトラーとオーバーラップします。

 

 そして、何よりも茶番の可能性を想定せざるを得ない理由は、ロシア軍の想定外の’弱さ’です。ロシアとウクライナとの間の軍事力の差は10対1とされており、圧倒的にロシアが優っています。ところが、今日、ウクライナの’奇跡’とも称されているように、ロシアは、ウクライナの制空権を未だに掌握していません。その要因としては、ウクライナ軍が保有している旧ソ連邦の地対空ミサイルの優秀性、ロシア軍の指揮命令系統の乱れ、あるいは、水面下でのアメリカの協力などが指摘されていますが、軍事専門家から見ますと、常識から大きく外れた展開であり、首を傾げざるを得ない状況なそうです。

 

 ウクライナと申しますと、その東部は、かつて国家ぐるみでユダヤ教に改宗したハザール国と重なっており、同国のゼレンスキー大統領もユダヤ人です。第一次並びに第二次世界大戦の裏舞台にあっても、グローバルなネットワークとしてのユダヤ系人脈が蠢いておりましたので、今般のウクライナ危機につきましても、表向きは国家間、あるいは、陣営間の二次元の戦争に見えながら、その実、超国家権力体が上部から両陣営を操っている可能性がありましょう。そしてこの推理が正しければ、各国は、全世界の諸国を戦争に巻き込み(核戦争であるかもしれない…)、国民の多くをその犠牲に供するという超国家権力体のシナリオに抵抗しなければならないということになります。この意味において、第三次世界大戦は、垂直の対立軸が加わることでより複雑化した三次元構造となるのかもしれないのです。

 

 目下、ウクライナがNATOに対して同国上空に飛行禁止区域の設定を要請する一方で、プーチン大統領は、飛行禁止区域の設定はロシアに対する宣戦布告と見なすとして牽制しています。この状況、裏を返しますと、ロシアが、制空権を未掌握の状況に置いておくことで、敢えてNATOに対して同区域の設定を検討する余地を与えているとする見方も成立しましょう。ウクライナ難民の大量発生もかつてのシリア難民を彷彿させますが、ウクライナ危機は、大半のマスメディアや’セレブ’達がウクライナを応援し、グローバル企業がこぞってウクライナ支援に踏み出す状況からしましても、どこか、シナリオめいた不自然さがあります。そして、3月1日の一般教書演説の最後に、バイデン大統領がアドリブで発したとされる「彼を捕まえよ」という言葉も、意味深長なようにも思えてくるのです(捕縛すべき相手はプーチン大統領とは限らない…)。

 

 本記事は、限られた情報から導き出されたあり得るシナリオの一つに過ぎず、推理ということになりますが、ウクライナをめぐる各方面の動きにおいて多々見受けられる不可解で奇妙な側面は、決して無視してはならないように思えます。最悪をも含めたあり得る複数の展開について同時並行的に考察し、迅速に対応する必要があるからです。人類は、「第三次世界大戦」ならぬ「第三次元世界対戦」に直面しているのかもしれないのですから。


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