リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

戦争なんてほんとにムダもいいところ

2016年11月03日 | 日々の風の吹くまま
11月3日(木曜日)。雨、降ってない!厚い雲がたくさん漂っているけど、切れ目からの差し
て来る朝日のまぶしいこと!晴れ間が広がって来ると、ベーカー山はもう新雪でまぁっ白で
山襞の日陰がいかにも冷たそうな水色。ゴールデンイアーズもまぁっ白。古い低層アパート
の平屋根はどれも水溜りが青空を映してキラキラ。晩秋なのか、それとも初冬なのかはわ
かりかねるけど、長雨の後に晴れた日の風景はほんとに気分がほっとするもんだなあ・・・。

 

今日は床掃除はさぼることにして、ぽちっとした仕事を片付けておしまい。午後は東京で読
み始めてからまだ半分しか進んでいなかったジョン・マレルの『Waiting for the Parade』を
開いて残りを一気に読み終えた。第2次大戦末期のカルガリーで「銃後」を守るキャサリン、
ジャネット、マーガレット、イヴ、マルタの5人女性の話。マルタは父親がドイツ兵捕虜にタバ
コをあげたためにスパイの疑いで収容所送りになり、周囲の冷たい視線を浴びるドイツ系
移民。家に火をつけられそうになったり、玄関先に犬の死骸を捨てられたりの嫌がらせを受
け、「私は9つのときからこの国に住んでいて、国籍もあるのに」と憤る。そうか、ドイツ人た
ちも(日系人ほどではなかったとしても)「敵性外国人」として迫害されたんだ・・・。

戦争なんてものは、人間としての理性なんかお呼びじゃなくて、動物本能に近いところまで
落ちないと戦えるもんじゃないと思う。国と国の争いとなればどこかに感情を超えた計算が
あるはずだけど、「憎しみ」となるともうワタシには理解不能。ワタシの脚本でもモーツァルト
が言う、「戦争なんか大嫌い。バカだよ。誰も音楽に耳を傾ける余裕がない。殺し合いに夢
中でさ。ムダもいいところだ」と。でも、憎しみも人間ならではの感情のひとつで、誰かをとこ
とん憎み嫌うことを「hate someone’s guts」と言うけど、まさにguts(はらわた)はその人の
「芯」。アイツの芯の芯まで憎いと言うわけで、ワタシはそこまで人を嫌いになったことがな
いけど、それほどの感情エネルギーを持っている人はそれなりにすごいと思う。でも、憎し
み余って殺すというのはやっぱりエネルギーのムダ・・・。

 

日が傾いて来て、夕食の支度を始めようかという頃、ベーカー山の上にかかっていたのは
レンズ雲。別名「笠雲」と言うのかな。こんな雲が出るのは大風が吹く予兆なんだそうな。い
や、荒れ模様はもうたくさんなんだけどなあ・・・。