リタイア暮らしは風の吹くまま

働く奥さんからリタイアして、人生の新ステージで目指すは
遊びと学びがたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

荒波も何のその、ミューズ号は波涛を越えて

2019年12月07日 | 日々の風の吹くまま
12月7日(土曜日)。☀。空が青い。でも、夜の間からかなりの揺れで、朝になってもすごぉいうねり具合。見渡す限り白波がひしめき合っている感じで、大きな白波がうぉ~んとうねって、どどぉ~ンと砕けて、三角波が立ってのせめぎ合い。それでも、ワタシはお母さんがやさしく揺するゆりかごで眠る赤ちゃんの気分ですやすや。たぶん遺伝子レベルで海の子なんだろうな(習わなかったから泳げないけど)。この年でも前後左右に揺れる船の中をバランスを取りながらすいすい歩けるから、我ながら背中をポンポンしたくなる。ま、要領としてはエクササイズボールに座ってバランスを取っているのとそれほど変わらないような感じ。

   

   

かなり早く目が覚めたので、まずは11階のジョギングトラックでウォーキング。長い方を8周すると1マイル(1.6キロ)だけど、船尾を回るときにまず猛烈な追い風に押しまくられて、反対側に出たとたんに今度は猛烈な向かい風と前のめりになっての押しくらまんじゅう。‘I’m like a seagull’とダジャレてみるけど、吹き飛ばされたらカモメのように大海原の上をすぃ~ってわけには行かないよね。ぐるぐると8周して10周したくらいに腹ペコになったので、朝ご飯は卵とソーセージとベーコンとスモークサーモンとにしんの酢漬けと果物とクロワッサン。船にはレストランが7つと小さいカフェやラウンジがいくつかあって、「バー」の数を数えてみたら9つ。オールインクルーシブは要するに食べ放題の飲み放題だから、世界1周クルーズなんかで6ヵ月も船に乗っていたら、二回りくらい大きいサイズの衣類も持って行かないと困るかもね。

今日はDay at Sea(海の上で過ごす日)。各階に小さい洗濯機と乾燥機があるので、シドニーから持ち込んだ汚れ物を持って行って洗濯。洗濯はやってもらえるけど有料で、そこらの超高級ホテルよりも高い。そこでセルフランドリーとなるわけで、ランドリールームには洗濯機と乾燥機の他に液体洗剤も備えてあるし、アイロンとアイロン台も置いてあって、全部タダで使える。ただし、各階に1ヵ所ずつしかないのでタイミングが難しい。洗濯物が乾き終わったら、ランチタイムまでのぉ~んびり。波しぶきでびしょびしょになったベランダで波の写真を撮ったり、2人並んでそれぞれラップトップを開いて「ひとり遊び」したり。

ランチは巻き寿司と冷酒。今夜はドレスコードが「フォーマル」で、6時にVirtuosoという旅行会社の国際ネットワークの歓迎レセプションに招待されている以外はこれといったイベントはなし。(Virtuosoは私たちのエージェントのジェフが所属する旅行会社がメンバーになっていて、今回ダニーディンでの1日ツアーをArts Club後援者への特別サービスとして予約してくれて、来年の地中海クルーズでもマルタでのVirtuoso主催のツアーに予約を入れてくれている。)さて、波涛を越えてのんびりするのがバケーションなんだから、晩ご飯の後はショーに行ってみるか、ジャズバーでコニャックを傾けながら去年のクルーズでも出ていたデュオのジャズを楽しむか・・・。


いよいよ2週間の船の旅の始まり

2019年12月07日 | 日々の風の吹くまま
12月6日(金曜日)。シドニーは今日も煙たい。9時過ぎには船に運び入れる荷物を取りに来るので、朝ご飯の後、忘れ物がないか室内を点検して、スーツケースに鍵をかけて、船室の番号を印刷したタグを付ける作業。スーツケース大小2個とラップトップのバッグ2個とスポーツバッグ1個。これを全部自分で運ばなくて済むのがオールインクルーシブのいいところ。(ただじゃなくて前払いしているわけだけど。)ロビー集合が10時45分なので、それまで最後の「観光」。ハーバーブリッジの方へどんどん歩いて行って、橋の下を通り過ぎたらすぐにどこかで左折できるかと思ったら、どこまで行っても交差する道路がない。集合時間に間に合ってホテルに戻れるか心配しながら、とにかくどんどん歩いて行ったら小路の先に急な階段。とっさの大英断で上って行ったら、あ、見覚えのある道路。やれやれ。ホテルに帰り着いたら、荷物はすでに運び出されていたので、最後の点検をしてチェックアウト。ロビーでは同じ船に乗る人たちが三々五々集まって来て、初対面同士で雑談の花が満開。

11時過ぎ、迎えのバスに乗ってホワイトベイのクルーズシップターミナルへ。巨大なホールでまずチェックインして、税関(パスポートを見るだけ)を通って、空港にあるような搭乗ブリッジから船内へ。ラウンジでクレジットカードを登録して、船室に入れる2時まで7階デッキのレストランでバフェランチ。去年乗った船だからけっこう勝手知った感じで、ワタシは巻き寿司各種とマグロの刺し身と好物のニシンの酢漬け、カレシはサラダを大盛り。2時少し前に船室のカードキーをタップしたら開いたので、のぞいてみたらとっくに荷物が運び込まれていて、テーブルには氷漬けのシャンペン。5時から救命ボートに乗る訓練が始まるので、さっそく荷ほどき。余裕たっぷりの収納場所に全部収めて、訓練開始のアナウンスがあるまでひと休み。思いのほかスムーズに行ってひと安心。

午後5時、訓練開始のアナウンスがあって、救命胴衣を着けて5階デッキの劇場に集合。オレンジ色の救命胴衣から突き出しているのはたいていが白髪頭。ざっと見まわしたところでは7、8割がたがシニアで、圧倒的にヨーロッパ系というところ。まあ初めから「子供には対応していません」という断り書きがあるし、現実に子供が楽しめるサービスは何にもないから、必然的にじじ、ばばが主流。ま、そこが乗客定員が数百人のいわゆるブティッククルーズの売りどころなんだと思うけど、ラグジュリーをうたい文句にしてとにかくやったらお高いのはそうやってそれとなく客層を絞っているのかも。

さて、避難訓練も無事に終わって、午後6時、いよいよ出航。水圧を使って船体を岸壁から離し、煙で黄色くなった夕暮れの空の下、タグボートの付き添いと水先案内人のボートの先導で、橋の下をくぐり、オペラハウスに見送られて、2週間の船の旅の始まり。