12月10日(火曜日)。☀☀☀。波穏やかな夜だったおかげでよく眠れた気分。でも、荒波で揺れればゆりかごの赤ちゃんの気分、波が穏やかになれば大海原に漂うクラゲ(?)の気分になって、どっちにしても海の上ではすやすや眠れてしまうからヘンなの。午前9時、2つ目の寄港地タスマニア島ホバートに到着。タスマニアについてはほとんど何も知らないので、どんなところかなあと期待感でいっぱい。何となくメルボルンの東の方だと思っていたら南の方で、北海道の80%くらいの大きさ。島全体がひとつの州(タスマニア州)で、人口約50万人。そのうち半分が首都ホバートに住んでいるというから、何となく北海道に似ていなくもないかな。
朝ご飯の後、9時半にツアーハスに乗るために5階デッキへ。カードキーをタップ(顔の認証)して、タラップを降りる。空港の搭乗ゲートのようなモダンな設備よりも、こうやって海風に吹かれて船腹のタラップを降りる方がやっぱり船の旅らしい趣があっていいな。私たちのバスの行き先ボノロン野生動物サンクチュアリとエドワード朝の面影が濃く残っているリッチモンド村。ハイウェイに沿ってブドウ園やワイナリーがあってびっくり。タスマニアの産業は合法的な(医薬品用)アヘンけしの栽培と聞いてまたびっくり。最近はクラフトビール用のホップの栽培が盛んで、カキやホタテの養殖も盛ん。シドニーもメルボルンもそうだったけど、ホバートも活気にあふれた街という印象で、何よりも人が生き生きとしているように見える
ボノロン野生動物サンクチュアリは怪我をしたり親を亡くしたりした野生動物の治療や世話をするところで、かわいいお嬢さんが真っ先に案内してくれたのがウォンバットのいるところ。交通事故で死んだ母親の近くでうろついているところを救助されて来たロンダちゃんは今7、8ヵ月の赤ちゃんだけど、体重はもう10キロ。健康なので大人になったら野生に帰すことになっているとか。う~ん、ぽっちゃりしてかわいいねえ、ウォンバット。いかにもふっかふかのお尻が何とも言えないかわいさなんだけど、実は鋼鉄のお尻。敵に襲われたら掘った穴倉に飛び込んで、お尻で入り口を塞いでしまうんだそうで、敵がいくら噛みつこうが引っ掻こうがウォンバットはへっちゃら。敵があまりしつこい時はそのお尻でガッツンとやるそうで、敵はへたをすると頭がい骨骨折。うわ、見かけによらないもんだね。

お嬢さんに抱っこされたウォンバットと鼻がくっつきそうなくらいの間近でご対面。うん、北半球から会いに来た甲斐があったぁ。眠そうなのでお別れして、後はタスマニアンデヴィル(名前はすごいけどぶきっちょきわまりないらしい)、ぐぅすか眠っているコアラ、そしてカンガルーには餌をあげて、オウムに「ハイ、ママぁ」と声をかけられて、楽しかったぁ、ほんっとに。おみやげはもちろんウォンバットのぬいぐるみ。

