リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

アイデンティティとは自分という人間を知って受け入れること

2024年02月27日 | 日々の風の吹くまま
2月25日(日曜日)。☁🌥。目覚めは9時ちょっと前。寝るのが遅いから、だいたい8時間眠っている勘定だけど、いいのかな、こんなによく眠っちゃって。元々2人とも夜型で、旧居時代には、カレシがリタイアしてから何年もワタシの仕事のタイミングに合わせてほぼ日本時間で暮らしていたときがあって、就寝は午前4時、起床は正午。冬なんか起きて4時間もすれば日が暮れてしまって、あんまり健康的とは言えない生活だったな。それがマンションに住み替えた日から就寝11時、起床7時になって、マンションの規則で午後10時から午前6時まではQuiet Time(「お静かに」タイム)なのもあってそのまま。少しずつ遅くなり出したのはコロナの辺りからで、今は午前12時半前後に就寝、8時半前後に起床というパターンで落ち着いた感じ。ときどきは夜中にトイレに起きることがあるけど、2人とも朝の目覚めはけっこういいから、このままでいいか。

日曜日の朝はオードリーちゃんをお風呂に入れてから、掃除とウォーキング。思ったより空気が乾燥しているようで、週中に霧吹きをしても金曜日には葉が丸くなって来るので、日曜日の朝にお風呂と言うことになった次第。ボウルに水を入れて逆さまにぽちゃんと入れてから掃除にかかって、モップかけが終わったところで即行でウォーキング。帰って来て、思いついてバルコニーに出して乾かしていた牛の脛の骨を持って来て、オードリーちゃんの新居作り。ミニチュア工房にあったプラスチックのキャップがちょうどよく骨の中に納まったので、カレシのバーミキュライトをほんのちょっぴり失敬して底にパラパラ。お風呂から上げて水を切ったオードリーちゃんをそっと入れたら、エアプランツと乾いた牛の骨という取り合わせが何となくワイルドな感じで、なかなかイケてるじゃないの。オードリーちゃんも葉っぱを広げてうれしそう。



今日の芝居(ファレン・ティモテオのヒット作『Made In Italy』)は午後2時開演のマチネ。きのう、おとといと夜公演をやっていて、明日は次の巡演地サレーに移動するので、ニューウェストミンスターでの最終日はマチネというわけ。セットそのものはたくさんの額縁に覆われた壁というシンプルなものだけど、その額縁が照明とビジュアルを兼ねているので配線とコントロールの設定が大変。舞台の真ん中に巨大なダイニングテーブルがでんっと置いてあって、第2幕ではテレビのタレントサーチ番組のステージにもなる。イタリアの田舎から移民して母国の価値観そのもので生きて来た父親サルヴァトーレと移民2世で自分のアイデンティに悩む息子フランチェスコの葛藤を描いた独り芝居で、前回2回はティモテオの自作自演で観たけど、今回はその時に代役だった若いダニエル・クラリがイタリア料理のコースになぞらえて語られる物語を熱演。父親役の場面ではまだティモテオの極上のエキストラバージンオリーブ油のような味わいに欠けているきらいはあったけど、歌声は張りがあってよかったな。

緊急入院した伯父の許に駆けつけず、そのままタレントサーチに「フランク・マーティン」というありきたりの英語名前で出て『明日に架ける橋』を歌い出し、途中で感極まってイタリア語で歌い出し、歌い終えて「ぼくの名前はフランチェスコ・マンティーニです」と言ってステージを去り、息子と断絶して以来(毎週金曜日の午後6時半にドアのチャイムが鳴るのを待ちつつ)ひとり暮らしだったパパが「どんな物語にも終わりがないとダメなんだ。でないと新しい物語を始められないじゃないか」と客席に語り掛けるところで、ああ、涙が出て来ちゃった。総人口のほぼ4分の1が外国生まれというカナダでは、移民1世、2世の多くが直面するアイデンティの問いは、家族観、世代間の軋轢にも発展しがちな大きな課題。ワタシもいったんは確立していた自分のアイデンティティを「外圧」に揺るがされて苦しんだ時があるから、何度観ても深いところまで共感できるんだと思う。いつか機会があったらぜびまた観たいね、うん。


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