リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

日本の少子化と中国の少子化の裏に見えるジェンダーの問題

2024年01月20日 | 日々の風の吹くまま
1月18日(木曜日)。☁❅☁🌧。朝の気温は0度。ルーフデッキに積もった雪が5センチも減っていて、いい傾向だな。それでも学校は大学から小学校までほとんどの教育区で今日も臨時休校なんだって。雪道を車で出勤して来れる教師がいなかったのかな。下の道路を見たらちゃんと普通に車が走っていたけどな。まあ、山のてっぺんにあるサイモンフレーザー大学(SFU)の場合は雪や霜で車が坂を上がれなくなることがよくあるから休校になるのはわかるんだけど、ちょっとばかり甘やかしすぎじゃないの?


針葉樹の枝が雪の重みで垂れて、ちょっぴり異次元的な風景・・・

甘やかされているのが大人か子供かどっちなのはわからないけど、購読しているニューヨークタイムズのデジタル版に中国でも深刻化しつつある少子化の問題を掘り下げた香港発の記事があって、なかなか読みごたえがあった。悪評ふんぷんの一人っ子政策を打ち切って2人でも3人でも子供を持てるようにした後でも出生数は増えるどころか減り続け、とうとう死亡数が出生数を上回って2年連続の人口減になって国家的非常事態に突入。習政権は女性にもっと子供を産んでもらおうと、住宅費や税制で補助や優遇策で釣って見たり、果ては愛国心を振りかざして「良妻賢母」になれとけしかけたりしても効果のほどはさっぱり。なぜかと言うと、男子と同じ教育を受けたひとりっ子女子の多くが権利意識に目覚めて、旧態依然の男尊女卑の家族制度や法制度を嫌って結婚したがらなくなり、結婚しても子供を持たない選択をするようになったから。

中国では法律上は男女同権が保証されていて、雇用上のジェンダーや人種による差別は違法なのに、政府はフェミニスト運動を弾圧して来て、ジェンダーに基づく職場での差別や暴力は昔のまんまで、おまけに離婚したくても裁判になれば仮にDVの証拠があったとしても離婚が認められる確率は20%と言うのが現実で、さらには10年ほど前には夫婦の住居は登記名義人(ほとんどが夫)のもので財産分割の対象にならないと言う最高裁判決があったというから、それじゃあ女性たちが結婚なんか怖くてできないと思うのも、政府が打ち出す結婚奨励策を「罠だ」と感じるのも当然だと思うな。まあ、中国の女性は芯が強いので男に頼らなくても生きて行けると思うから、習近平が何を言おうと非婚化も少子化も止められないだろうな。

日本でも人口の減少が止まらず、メディアでも少子化問題に関する記事をよく見かけるけど、ニューヨークタイムズの記事を読んで、同様の男社会に共通した問題のようであっても、突っ込んで見ると女性側の事情が対照的。日本に住んでいないから直接見聞きしているわけじゃないけど、小町横丁の掲示板を見る限りでは日本の女性はいわゆる婚活と妊活に奔走していると言う印象を受ける。なのになぜ婚姻率も出生数も増えないのかという疑問が出て来るんだけど、日本ではどうも男性の方が結婚したがらないか、したくても女性側が望む経済条件(男が稼いで家族を養う)を満たせていないからじゃないかという気がする。中国の少子化はひとりっ子政策が行き着いたところなのに対して、日本の少子化はバブル崩壊後の「失われた30年」の産物と言えるかもしれないな。もっとも結婚そのものがもう「病める時も健やかなる時も、喜びの時も悲しみの時も、富める時も貧しき時も」というコミットメントではなくなって、家事や家計の分担に関する交渉と言う感じで、まるで企業の提携や合併の事案のように見えなくもないけどね。


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