らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

F.J.ハイドン 弦楽四重奏曲 ホ長調 Op.17-1

2011年11月21日 23時32分29秒 | クァルテット
           (ニコラウス・ミクローシュ・エステルハージ侯爵)

 今日の西川町大井沢では、25cmほど雪が積もりました。月山はもうノーマルタイヤでは通行不可です。平地でも雪まじりではなく、我が町~大江町左沢付近では積もりませんでしたが、雪が降りました。そろそろ雪かきの季節到来ですかね。

 山形Q 第42回定期演奏会では、ハイドン全曲演奏企画44曲目としてOp.17-1が取り上げられます。5楽章構成でデヴェルティメントのようなOp.1、Op.2の10曲。そして、弦楽四重奏曲の標準的な4楽章構成をとるOp.9の6曲。その次に来るのがOp.17の6曲です。

 その後のOp.20やOp.33の実験的かつ革新的な作品の前のOp.17は、ハイドン39歳の頃に書かれていて、デヴェルティメントから抜け出そうとしたOp.9とOp.20の経過的作品で、少々中途半端な曲集といわれてしまうこともあります。

 ハイドンの人生を語る時に何人かの重要な登場人物が登場しますが、上の絵のニコラウス・エステルハージ侯爵は特に重要度は上の方でしょう。ハイドンの長い音楽人生の中で30年近くもこの侯爵家に勤め、芸術活動に理解のあった侯爵の下で安定した収入と作曲活動を保証されたのは、遅咲きのハイドンにとって自分の力を徐々に蓄えるのに大変役立ったと考えられます。エステルハージ家のオケを使用できたり、その仲間のために曲を書いたりなど恵まれた環境だったと想像します。

 その間、結婚したり、恋愛したり人生の転機もありました。

 沢山の人生経験をしながら、その後の創作活動~大器晩成型~への豊富な素材を自分の中に貯蓄できたと思われます。

 さて、過渡期の曲集といわれるOp.17の1曲目ですが、前後の曲が20分前後の曲が多い中、この曲だけが30分の大曲になっています。ハイドンが力を入れて書いた事は確かでしょう。ホ長調という調性も珍しい・・・。

 1stVnだけが活躍する初期の作品とも少しだけ違う、かと云って他の3声部が対等に扱われているとも違う・・・要するに中途半端な過渡期の作品だと言えなくもないです。ちょうど今の自分達と同世代の頃の作品ですので、これから練習が進むともう少し理解度が上がるでしょう。

 もちろん音楽に魅力がないわけではございませんので、ご安心を!!私は大好きですよこの作品集。

 

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