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Charlie Parker / South Of The Border ( Mercury MGC-513 )
パーカーが歌って歌って、どこまでも歌いまくる。 とにかく、歌う、という言葉でしか表現のしようがありません。
パーカー以外の演奏者の演奏なんて一切耳に入ってこないです。 だから、バックの演奏の出来不出来なんてどうでもいい。
パーカーのメロディーはいつも通り非常に理性的で、やり過ぎるところが一切ない。 ぴったりと一寸の狂いもなく音楽の中に納まっています。
感情過多でフレーズが小節をはみ出したりすることが全くない。 どうでもいいフレーズも1つもない。
すべてが元々そこに埋め込まれていたかのように、これ以外のリズムはないという間で、一分の隙間もなく小節の中に納まっています。
それはまるでナノメートル単位で測られて裁断されたかようなのに、他の誰よりも音楽的に聴こえる。
これがパーカーの一番凄いところだと思うのです。
私はラテン音楽が好きなので、バックで鳴る残響豊かなコンガの音が嬉しい。 夏の夜を思わせる蒸し暑いムードがとてもいい。
そんな中を、パーカーはこれでもか、というくらい歌いまくります。 ヘタなラテン音楽のレコードなんかより、こちらのほうが遥かにいい。
録音曲数が少ないのが残念です。 SP録音なので、1曲あたりの時間も短すぎます。 もっとたくさん録音して欲しかった。
アルバム最後の曲 "Estrellita" が哀感たっぷりに鳴り響いて終わると、なんとも切ない気持ちになります。