Noel Kelehan Quintet / Ozone ( アイルランド Cargo Records CAR001FCD )
新譜CDコーナーの筆頭場所に大量に飾られていた。 アイルランドのグループが1979年に録音した日本では初めて紹介されるアルバムとのことだ。
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移転後の新宿ジャズ館はレコードとCDがワンフロアに同居していて、まだ頭の中で地図が出来上がっておらず、どこに何が置いてあるのかがよくわからない。
CDコーナーは以前よりも手狭になったような印象で、新品と中古と高額廃盤が混在しており、なんだかよくわからない。 新譜の試聴もできるのかできないのかも
よくわからない。 バイヤーズ・マンスリー・セレクトはどうなるんだろう。 あれは続けて欲しいんだけどな。
レコード・コーナーが広めに場所取りされて優遇されている分だけ見易くなったのはいいけれど、その代償としてCDが割を食わされた感じだ。
やはり高収益事業分野には敵わない、ということなんだろう。 分野別の優劣の差が露骨に出ている。
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ブログに紹介された時はマイルスの影響を受けた、と書かれていたが、聴いてみるとマイルスの影はどこにも見られない。 どちらかと言えば、晩年の
アート・ファーマーが若いテナーと組んで、ヨーロピアン・ジャズ・トリオをバックに北欧の最新スタジオを使って録音しました、という感じだ。
楽曲の出来の良さを最重視した作りで、非常に上質で洗練されていて、ジャズというよりはジャズのテイストで包んだ映画のサウンドトラック、という質感。
まあ、「如何にも」という感じで仕上がっている。
リーダーのノエル・ケレハンはクラシックの教育を受けた作曲家兼アレンジャー兼ピアニストとしてイギリスやアメリカのラージ・アンサンブルで研鑽を積んでおり、
それがこの楽曲優先の音楽へと繋がってきているのだろうと思う。 どの曲も適度に翳りを帯びた哀愁が漂い、こういうのが好きな人なら悶絶必至だろう。
最新リマスターされているとのことで、CDの音質は極めて良い。 録音当時のアナログの質感はきちんと残しながら深みのある透明感高い残響の中で
音楽が鳴っており、音響的快楽度は高い。 最近のCDの高音質さには本当に驚かされる。