廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

大作曲家が歌うと・・・

2022年05月01日 | Jazz LP (Capitol)

Harold Arlen / Sings His Songs  ( 米 Capitol T-635 )


私ももう随分長い間レコード漁りをやっているけれど、未だにキャピトル・レーベルの全貌がよくわからない。
総合メジャー・レーベルなのでジャズのカタログは少ないのかと思いきや、ビッグ・バンドやヴォーカルは知らないタイトルが今でも出てくる。
ジャズがメインのマイナー・レーベルの話は多くの人が語るけど、このレーベルのことを語る人はいない。

このレコードも初めて見た。大作曲家本人が自身の歌を歌うもので、こういうのはプロの芸ではなく余技だから、「困ったな・・」という感じで
あるのが正直なところだけど、この雰囲気のあるジャケットを見ると素通りすることはできない。

古き良き時代に作られた大スタンダードばかりで、どちらかと言うと地味で渋めの曲が多いけれど、ジャズ・ジャイアンツが好んで取り上げた
楽曲が多く、その曲もすぐにあの演奏・この演奏、というのが思い浮かぶだろう。

特に美声ということもない歌声で思い入れたっぷりに歌っているのが可笑しいけれど、それなりに聴けて悪くはない。
まあ、あまり分析的に聴くようなものではなく、こんなレコードがあるんだ、という軽い驚きをもって聴いていればいいのだろう。
キャピトルもまさか売れることは思って制作してはいないだろうけど、それでもこういうレコードも作っていたのだから、
ある意味で裕福な時代だったのだろうと思う。採算度外視でもレコードが作れた、幸せな時代。そういう時代のジャズは傑作が多かった。



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