John Puchett / Meet John Puckett And His Piano ( 米 King Records 546 )
部屋の模様替えをする必要があって、レコードの棚卸をしていたら出てきたレコード。持っていることなんて、すっかり忘れていた。
正体不明のピアニストで、ネットで調べると過去に言及されたのはマイナー盤に光を当てる "A Place In The Sun" での記事1度のみ(さすが)。
面白い話が紹介されていて、どこかのお店のHPで25万円で売られていて(どこだろう?)、それが売れたのを目撃したけど、どう考えても
こんな値段になるレコードには思えず、おそらくネット上の値段表記は桁間違いだったのだろう、という冷静な考察をされている。
実際のところはどうなんどろう、と以前旧ヴィンテージの池田さんに「どう思いますか?」と訊いてみたら、「確かに珍しいレコードだけど、
25万はあり得ない、どんなに頑張っても2~3万が限度だと思う」とのことで、常識ある人たちの結論はみな一緒だった。
桁間違いじゃない場合、こういう不可解な値段を付ける店と言えば1軒思い当たるフシが無きにしも非ずだけど、私が拾った時も1,700円だったし、
改めて中古レコードは水商売なんだよなと思わされる。このレコードを見るたびに「ぼったくりには気を付けなきゃ」と自戒の念を覚える。
正体不明のピアニストにこれまた正体不明のベースとドラムが付くピアノ・トリオによるスタンダード集だけど、上善如水のようなクセのない
ストレートな演奏で、カクテル・ピアノなんかではなく、ダレたり退屈するような感じはないけど、取り立てて印象に残るようなところもない。
変な先入観なく聴けば、まずまず普通のピアノ・トリオによるスタンダード集として聴ける。
新宿の東口界隈を歩いていると「路上勧誘は犯罪、ぼったくりに注意!」という街頭アナウンスがいつも大きな音量で流れている。
レコード漁りをした帰り道にこのアナウンスを聴かされると、「今日は俺、ぼったくられなかったかな?大丈夫かな?」とつい考えてしまう。