中古レコードを漁るようになって35年が経つ。 その前の7年間は中古レコードなんてものの存在は知らなくて、レコードを買うと言えば駅前のデパートへ行って、
その中にあったレコード屋で新品の国内盤を買うのが当たり前だった。 それは何とも平和な日常だった。 中古レコードの存在を知って、それを漁るようになって
状況は良くも悪くも一変する。 そして、最近は本当に贅沢になってしまったなあと思う。
オリジナル、オリジナルと騒ぐのが未だに気恥しいし、オリジナル盤を買うことに今でも後ろめたい気持ちがある。 よく考えてみると、中古漁りをしていて
一番楽しくて幸せだったのは、中古の国内盤を探して買っていた学生時代だった。 それは間違いない。 とにかく定価で2,500円するレコードが半値以下で
買えることが驚異的で何よりも嬉しかった。 少ない小遣いの中で、1枚買うのにも呻吟に呻吟を重ねたものだ。 それが今じゃどうだ。
中古漁りの本当の楽しさを忘れないようにするためにも、時々は原点回帰する必要があるとつくづく思う。 だから、最近は改心して国内盤も丁寧に漁っている。
そうすると、こういう素晴らしい音楽に出会えて、忘れかけていた楽しい気分も蘇ってくる。
Jeremy Steig / Monium ( 日本 CBS/Sony SOLP-244 )
ジェレミー・スタイグがエディ・ゴメス、マーティー・モレルのエヴァンス勢と組んで、ティンバレスを加えて自身のフルートをオーヴァーダブした力作。
フルートは強く吹けば吹くほど音がかすれて尺八のような感じになるが、そんなのお構いなしで疾走する。 不思議なもので、スタイグがそうやって力めば力むほど、
音楽の純度が上がっていくような感じなる。 そういう意味では、この人は天性の音楽家だったのかもしれない。 1974年のリリース作品で時代を感じるサイケで
第三世界的要素が濃厚だけど、不思議と心惹かれて止まないお気に入りのレコード。 700円。 ジャケットの絵はスタイグ本人の自筆だそう。
Dollar Brand / This Is Dollar Brand ( 日本 Trio Records PA-7063 )
名盤100選の常連であるこの人の代表作 "African Piano" は、どうも私にはその良さがわからない。 歴代の大先生たちはこぞって褒めていたけど、
その裏には黒人文化へのコンプレックスが見え隠れしていて、そういう教条主義が胡散臭くて鼻につく。
それに比べて、こちらは驚愕の大傑作。 こんなに心に刺さるピアノは滅多にない。 "Kanazawa Jazz Days" の kenさんから国内盤の音が良いと教えられて
いそいそとユニオンに行くと、簡単に見つかった。 500円。 この日本Trio盤、本当に音が良い。
その中にあったレコード屋で新品の国内盤を買うのが当たり前だった。 それは何とも平和な日常だった。 中古レコードの存在を知って、それを漁るようになって
状況は良くも悪くも一変する。 そして、最近は本当に贅沢になってしまったなあと思う。
オリジナル、オリジナルと騒ぐのが未だに気恥しいし、オリジナル盤を買うことに今でも後ろめたい気持ちがある。 よく考えてみると、中古漁りをしていて
一番楽しくて幸せだったのは、中古の国内盤を探して買っていた学生時代だった。 それは間違いない。 とにかく定価で2,500円するレコードが半値以下で
買えることが驚異的で何よりも嬉しかった。 少ない小遣いの中で、1枚買うのにも呻吟に呻吟を重ねたものだ。 それが今じゃどうだ。
中古漁りの本当の楽しさを忘れないようにするためにも、時々は原点回帰する必要があるとつくづく思う。 だから、最近は改心して国内盤も丁寧に漁っている。
そうすると、こういう素晴らしい音楽に出会えて、忘れかけていた楽しい気分も蘇ってくる。
Jeremy Steig / Monium ( 日本 CBS/Sony SOLP-244 )
ジェレミー・スタイグがエディ・ゴメス、マーティー・モレルのエヴァンス勢と組んで、ティンバレスを加えて自身のフルートをオーヴァーダブした力作。
フルートは強く吹けば吹くほど音がかすれて尺八のような感じになるが、そんなのお構いなしで疾走する。 不思議なもので、スタイグがそうやって力めば力むほど、
音楽の純度が上がっていくような感じなる。 そういう意味では、この人は天性の音楽家だったのかもしれない。 1974年のリリース作品で時代を感じるサイケで
第三世界的要素が濃厚だけど、不思議と心惹かれて止まないお気に入りのレコード。 700円。 ジャケットの絵はスタイグ本人の自筆だそう。
Dollar Brand / This Is Dollar Brand ( 日本 Trio Records PA-7063 )
名盤100選の常連であるこの人の代表作 "African Piano" は、どうも私にはその良さがわからない。 歴代の大先生たちはこぞって褒めていたけど、
その裏には黒人文化へのコンプレックスが見え隠れしていて、そういう教条主義が胡散臭くて鼻につく。
それに比べて、こちらは驚愕の大傑作。 こんなに心に刺さるピアノは滅多にない。 "Kanazawa Jazz Days" の kenさんから国内盤の音が良いと教えられて
いそいそとユニオンに行くと、簡単に見つかった。 500円。 この日本Trio盤、本当に音が良い。
ただ、そういう環境云々の条件を超えて、独立して燦然と輝く音楽があるのも、これまた真実。 何気に難しい問題です。
アフリカン・ピアノは私の感想なのでお気になさらず、こいつわかってないなあ、と笑い飛ばしておいてください。
ここ最近、ジェレミー&ザ・サテュロスというロックっぽいCDを聴いていたばかりでしたので、御紹介のディスクにも興味を持ちました。また、私はジェレミースタイグの描く絵にジョージ・グロスに似たエグ味を感じて不思議と惹かれるものがあり、これは探したいと思いました。あくまで、お安く。
ジェレミー&ザ・サテュロス、今まで知りませんでした。 ネットで試聴しましたが、妖しい妖しい(笑) 退廃ですねえ。
私もお安いのを探します。
私も記憶力がない割りには、ルネ氏の記事は覚えていて、ショボショボ入手。ESPのパウエルも、Savoyのハンク・ジョーンズも楽しかった。いつもありがとうございます。