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リヴァーサイド傍系レーベルの謎 2

2019年05月02日 | Jazz LP (Riverside)

Frank Strozier / Long Night  ( 米 Jazzland JLP 56 )


リヴァーサイド傍系レーベルの中では最も太い支流であるJazzlandレーベルは、次世代の若手や新しい感覚の音楽の受け皿として用意されたようだが、
実際はアバウトなラインナップになっていて、本流との境界線は曖昧。 今の感覚で見ると、レーベルを分ける必然性は感じられない。 本流の再発も
出したりするものだからリヴァーサイドの廉価レーベルのようなイメージが付いたりして何となく虐げられてしまっているけど、内容の優れたものが結構
残っていて無視できない。

実力の割になぜか評価されないフランク・ストロージャーが初々しい傑作を残したのもこのレーベルだった。 フィル・ウッズ直系の都会的なアルトが眩い
光を放っていて、これは圧巻の内容だ。 ブラインドで聴けばおそらく全員がフィル・ウッズと答えるはず。 またこのタイトルは録音が際立って良く、
最高の音質で鳴る。 ゆったりとしたバラード調の曲が多く、都会の夜を想わせるしっとりとした大人のジャズになっていて、どこを切っても満点の内容
であるにもかかわらず、暗いジャケットデザインと地味なメンバーのせいで名盤の選から漏れてしまった不幸なアルバムだ。 

そんなわけで私はこのレーベルが結構好きなのだが、面倒なことに本流と同様に橙大レーベルと橙小レーベルの2種類あって、どちらが初出なの?という
疑問が付いてまわる。 更にやっかいなことに、タイトルによってはどちらか1種類しかなかったり溝の有り無しが絡んだりして、仕様の不統一さは本流
以上に混迷していて、そこには規則性のようなものも見られない。

このストロージャーのアルバムは大小の2種類があって、どちらが初出なのかはわからない。 写真の大レーベルの方が数は少ないような気がするけれど、
音質はどちらもあまり違いがないような気がする。 好きなレコードだから白黒はっきりさせたいけれど、こういう小さい支流になるとわざわざ踏み分け
入って釣り糸を垂れる人も少ないから、情報も見当たらない。 カギは本流側の基準にあるんだろうけど、それ自体が不明確だからお手上げなのである。


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2 コメント

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Unknown (たま)
2019-05-10 02:41:45
たのしく拝見させていただいております。

このレコード、プロモ溝有が大きなレーベルで所有しております。
当方はこのアルバムで小レーベルは見たことがありませんでした。

とても良いアルバムだと思います。
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Unknown (ルネ)
2019-05-10 06:27:40
たまさん、コメントくださり、ありがとうございます。

このレーベルもときどきプロモがありますね。溝有りなら珍しいですね。
私もとても良いアルバムだと思います。愛聴盤です。
返信する

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